第16話
一触即発な雰囲気に巻き込まれた俺だったんだけど、俺はあくまでも冷静に二人の争いを見守る事にした。
「ってかさっきからアンタ意味不明な事言ってきてるけどさぁ、アタシ別にアンタとのセックスなんて好きじゃなかったからね? アンタとのセックスなんで一度も気持ち良くなかったんだからさ」
「はぁ? 何言ってんだよ?? いつもチンコ挿入れる度にアンアンって気持ちよさそうに喘いでたクセによ? 俺に振られたからって腹いせにそんな嘘つくなよなw」
「いやあんなのどう考えても演技に決まってんじゃん。 ってか気持ち良いと喘ぎ声が出るとかAVの見すぎじゃねww ぷはは、アンタ本当に馬鹿じゃないの?w」
「なっ……!?」
そう言いながら水瀬さんは満面の笑みを浮かべてイケメン男の事をバチクソに煽ってきていた。 イケメン男はその言動にムカついたようで若干キレながら言い返してきた。
「はぁ、ふざけんなよ?? 俺だってテメェみたいな不感症女となんて本当はやりたくなったんだからな?? でも由美がやりたいって毎日言うから仕方なくセックスしてやったってのによぉ……!」
「いやだからアタシは一言もやりたいだなんて言ってないからな? ってか付き合ってた時から言いたかった事があるんだけどさぁ……ラブホ入った瞬間にすぐアタシの服を脱がそうとしてくんじゃねぇよ、テメェは猿か何かなのか?? ってか前戯も何もしないクセにいきなりテメェのチンコ挿入しようとすんじゃねぇよ。 濡れてもないのにそんなん挿入る訳ねぇだろ馬鹿かテメェは? それなのにお前不感症かよw お前のアソコ全然濡れてないからちっとも挿入らないじゃんw はぁ萎えるわw ってか俺が萎える前にさっさとチンコ舐めろよなww ……とか色々言ってくんのマジ男として終わってっからな??」
イケメン男に対して水瀬さんは完全に切れながらそう言ってきた。 というか普段の明るいギャルの水瀬さんからは想像出来ないほどにキレていた。
(い、いや怖すぎんだろこれ……)
そういえばよく“怒らせたら駄目な人”っていう話題が出る度にさ“普段は温厚で優しい人”っていうのがよく模範解答として挙げられるけどさ……“陽キャの明るいギャル”も怒らせたら絶対に駄目だよな……だってこんなんバチクソに怖すぎるもん。
「それにさっき、今フリーなんだよねとか何かほざいてたけどさぁ……どうせアンタ振られたんでしょ??」
「は、はぁ!? んな訳ねぇだろ! 何言ってんだよ!」
「いや別に隠さなくてもいいじゃんw どうせアタシの時と同じで毎日ようにセックスさせろセックスさせろって煩かったんじゃないの? ぷはは、セックス超下手クソな奴に毎日やらせろなんて要求されたら女からしたらたまったもんじゃないよねww」
「……っち……はぁ、全くよぉ……せっかくこっちが下手に出てやってるってのにさぁ、お前マジで何様なん?? ってかお前みたいなブスなんかと本気でやり直したいなんて思う訳ねぇだろ、冗談に決まってんじゃん? 馬鹿かお前?? って、え、何!? も、もしかして由美は俺の言う事マジだと思ったの?? ぷははっ! それはマジで痛すぎだろww お前みたいなブスな女とやり直したいなんて思う訳ねぇじゃんなww」
「あ、そっかそっかぁ、それなら良かったわーw アタシもテメェみたいなカスでクズなゴミ男とやり直したいなんて1ミリも思ってなかったからちょうど良かったわーww うんうん、次はアタシなんかよりももっと可愛くてエッチが大好きな女の子が見つかるといいねー。 あっ、でもアタシみたいな超絶ブスな不感症女にすら相手にされてない時点で無理に決まってるかーww もう一生エロ本でも見ながらシコシコ自家発電でもしてろよww ぷははっ!!ww」
「……っ!」
そんな風に水瀬さんはイケメン男の事をバチクソに煽り散らしていったのだが……しかしイケメン男は唐突に黙り込んでしまった。 一体どうしたのだろうと思ったその時、イケメン男は完全にキレた様子になって水瀬さんに近づいてきた。
「……おいテメェ、ふざけんなよ……っ!」
(っ!? ま、まずいっ!)
イケメン男の完全にキレた表情をしながら水瀬さんに殴りかかろうとしてきたので、俺は急いで水瀬さんを庇うために全力で駆け寄った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます