第27話開戦 魔素不足による戦況悪化

薄暗い病室、使われなくなった廃墟に俺らは泊まっていた。


そこで俺は考えていた。


魔素。



それは空気中に含む魔力の事。


それの濃度によって能力の発揮度は変わる。


故に魔素が空気中に無いと能力的攻撃は出来ない。

そして魔素濃度が低いのがこの現実世界だ。


ここは現実人が適応できる魔素しか存在しない。


だがら魔素濃度が高い環境に過ごしていた人は適応するのが濃度の違いの量によって可能性が変動する。


其のせいで、俺はユイを守れなかった。


俺が作ったダークセヴァンという組織、ここにら所属して現実世界に来たのはユイと俺とファーゼル。


人員不足だ。


能力でユイを回復させたいが、不可能だ。


ユイの傷は多分数日後には大きくなっていきユイは死ぬ。


それだけは許せない。


最早、国際的指名手配の様な状態になった今、俺は妙な動きも取れない。


ユイの腹を、抉る位の攻撃を打てるなんて思っていなかった。



全てあの神が仕組んだのだろう。



そうやって考えていると寝ているユイを見ているファーゼルが話しかけてきた。


「どうしたら力を、ユイを回復できると思う?」


深刻な顔をして聞いてくる。


「せめて魔素濃度が濃ければ」


「そうだよな」


そうやって話していくうちに俺は一つの地獄の閃きを思いついた。


「ファーゼル。」


俺は深刻に言う。


「ユイを連れて病院へ行け。二人は仮面を被っていて顔もバレていない。それなら病院へ行っても平気な筈だ。」


「神威、なんてことを。」


「ユイを連れて病院へ行けばユイは助かる。其の後はユイとファーゼルこれを持って一ヶ月後元の世界へ帰れ。」


「そんな、酷いこと言うなよ!」


「俺だって酷いと分かってるさ」


涙が溢れてきた。


「でも、これしか方法がないんだよ。」


そうやって論争が起きた。


まぁ醜かったなと思う。


これが最初で最後の喧嘩だったら、と苦しい事を考えてしまった。


其の後俺はファーゼルと説得し、日の出、朝ファーゼルとユイは俺と離れた。

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