第368話 悪夢去りし街角より

法の下で保護・育成すると標榜しつつ、

有象無象の集団に子どもらを放り込み、

生体実験のモルモットを扱うがごとく、

その世話をさせていた昭和の養護施設。


もう、あの日に戻ることはない。

戻されることもない。

だが、今もその恐怖と不信感は消えていない。

様々な「不振」の原因にさえもなっている。

誰がいかなる詭弁を弄そうと。


ヘッポコな依存心を育成して依存心を募らせ、

群れ合いのぬるま湯にどっぷりつからせて、

それで、テキトーな言葉を並べて、

なんとかその場その場を乗り切ろうとしてきた。

だが、そんな手法は通用しなかった。

少なくとも、彼には。


悪夢去りし街角から、彼は、反撃ののろしを上げた。

あれから、1年。


まだ、戦後は終わっていないのである。

もし終わっていると解釈するなら?

それでも、結構。

今、かつて囚われの身だった元少年による、

戦後政策が粛々と実施されているのである。


そのバトンは、既に継続作品群によって継がれようとしている。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


へびのあし

「不振」は、誤植を活かしました。

あまりにも、洒落になっていない話だから。

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