第332話 維新、いまだならず

本日は、2月26日。2・26事件の日です。

青年の純粋な心をうまく扱って思い通りのことをしようとする者共。

昔も今も、そういう人はいますね。


さて、後の作家氏。

何だかんだでそういう手合いに囲まれた人生を送っていました。


都合のいいときにはできもしなくてもいいから理想論。

都合が悪いときにはとにもかくにも一見現実的な話を。

あるいは、それが逆でもいいのだけどね。

都合のいいときには一見もっともらしい現実論で行き、

都合が悪ければとってつけたような理想論を郷愁的に。

都合がよければ、大本営発表みたく景気よくいこうぜ!

悪くなったら、一見現実的なだけのことでお茶濁して。

そんな感じね。


まあ、目の前のアホどもが何をほざいてケツカロウが、

テメエはテメエの道を黙って歩んでいくしかねえんだ。


たったそれだけのことだけど、気付くのも大変。

ましてそれを、徹底的に実践していくことなんて。

そりゃ、そうだよ。

中途半端な力もない職員の言うことなんか聞いていて、

まともに社会を渡っていくことなんかできねえよ。


そんなことさえうやむやあいまいにして、

その場限りのその場に流されて行けば楽に過ごせる。

そんな場所にいられるのも、そう長くはないのだ。


何をしても、自らの維新を達成せねばならん。

その維新とは、ただ、この自由の森の外に出て、

そこで、普通に暮らしていけばいいだけの話だった。

勿体つける程のことでもないのにな。

それをさも勿体つけて支配下に置こうとする職員らを叩きのめして、

進んでいかねばならない。


自由の森とは、そんな場所だったのだよ。

ってね。


維新、いまだならずや?

否。

維新の精神は、今も生きているのよ、確実に。

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