第166話 くわえたばこの男の行方

 自由の森にやって来た転校生の少年・I君。

 今でも名前は覚えているが、それは伏せよう。

 彼は、小学校の卒業文集に絵を描いたのですよ。

 どこかにいそうな、今でいうちょい悪感の若い男。


その男は、何と、くわえたばこをしていた!


 彼は確か、中学に入ってもたばこは吸っていなかったはずだ。

 もっとも、彼は中1修了と同時に自由の森を去ってしまって、

 その後どうなったかは、私にはわからないままなのですがね。


 その絵を見た、ベテラン罰漢字先生の処置はこう。

おい、小学校の卒業文集にタバコはないだろう。


かくして、煙草とその煙の絵は消されましたとさ。

 だけど、そのたばこをくわえていた男は・・・、

禁煙! させられたまま残されていました。はい。

 彼の絵の人格までは、抹殺できなかったようです。

めでたし、めでたし!


 これで少しは、健全な絵になったろう。

・・・、ってか?

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