第126話 はしかでは、死ねませんでした。

 つい1年前は、まだ、祖父母のもとにいられた少年。

 今年は、有象無象の子らに囲まれた、囚われの少年。

 しかも、海水浴も足止めされ、はしかにかかってね。


 でもまあ、はしかは、治りました。

 そのくらいでは、死にませんでした。ええ、死ねなかったの。

 皆さん、鳥取から帰って来る頃には、ね。

 もう、ぼちぼち、元の木阿弥? ってね。


 実は翌年2月頃、彼はまた、病気にかかりました。

 今度は、水ぼうそう、でした。

 特に行事にあたることなく、学校を休んだだけね。

 いずれにせよ、水ぼうそうでも死にませんでした。

 おたふく風邪は、いつ、かかったっけ?

 自由の森に来る前に、かかっていたかもしれんね。

 

 ま、ええわ。そのへんはまた、別の話、ってか。

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