第97話 爆竹の親玉から「亡命」

 花火大会なんてねぇ、別にいいよ。

 人出ばかりで、うっとおしいやん。


 別に、花火なんかどうでもええわ。

 なぜかって?

 あんた、我が中学校では年中、あったで。

 音だけだけどさ。

 花火の子分が活躍しておったのよ。

 つまりね、授業中にも爆竹が鳴るってこと。

 いつもじゃないけど、時々ね。

 爆竹なら、あれで十分楽しませてもらったわい。

・・・、ってよ。


 ということは、あの街中のシロモノは、

 爆竹の親玉ってことです。

 あの混雑を避けるには・・・、

 ということで、

 街中のサウナに逃げ込んで、

 カプセルホテルでテレビを見ていた大学出の元入所児童。

 ここなら、爆竹の親玉の音も聞こえない。


 し、しかし!

 その日彼は、世にもすさまじい光景を、カプセルの中の、

 ブラウン管の中に、見たのである!


 愛と正義の、セーラー服美少女戦士見習!

 セーラーちびむーん!

 未来の月に代わって、おしおきよ!

・・・、なのだそうです。


 なんだ、その頃は、アニメの麻布十番に「亡命」していたのね。

・・・、ってか?

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