第63話 長靴倉庫への鎮魂歌
昭和50年・西暦1975年。
自由の森が、森の中ではなくまだ住宅地にあった頃のお話。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
子どもたちや職員各位の勝手口には、下駄箱がありました。
そんなの、どこでもあるでしょ?
まあね。そりゃ、この地にだってありましたよ。
その横には、職員のロッカーみたいなのもありましたっけ。
それだけじゃ、ないよ。
何と、食堂の向いの通路の端、階段下のその場所には、なんと!
長靴倉庫(ながぐつそうこ)
そういうものが、ありました。
雨の日は、そこにある長靴を履いて、学校に行くようになっていたのです。
あの長靴倉庫って、何だかなぁ・・・。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
幼少期、まだ自由の森に来ていなかった頃のかの少年は、長靴が好きだった。
晴れた日でさえも、長靴を好んで履いていた。
彼の父親が、後に、そのようなエピソードを語っていたと言います。
そんな彼が、やがて、長靴を履くのを嫌がり、やめる日が。
そう、自由とは名ばかりのあの地に「収容」された後です。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
彼はなぜ、長靴を捨てたのか。それも、自らの意思で。
幼少期の黒歴史は、あの長靴倉庫の中にすべて封印したのである。
・・・、ってか?
・・・ ・・・ ・・・・・・・
へびのあし
ちなみに今日は、6月2日。
かの作家の異父妹の子、つまり、甥の誕生日だそうです。
その甥は今や、中学生になっておるそうです。
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