第59話 このままでは、話が持たない!!
熱血青春ドラマを観て青春時代を送った児童指導員の男性がいた。
彼は、のちに作家となる入所児童の担当をした。
最後の2年間は、彼が直接担当した。
その頃になると、彼もある程度気付いていたようです。
短大を出て間もない保母らに担当させるのはもはや無理であると。
相性や、まして、単なる(低次元の!)好き嫌いの問題ではない。
そのことに彼は数年後、ようやく気付いたようでありました。
彼なりに、それまでの「尻ぬぐい」のような役割を果たした。
かの少年、その甲斐あって自由の森初の大学進学者となった。
だが、そのために彼の果たせた役割は、何もないと言っていい程。
それは、かの職員本人が一番、よく気づいていたと思われる。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
彼は今も、そのことを悔やんでいる。
あの少年に、何もしてやれていない。
それどころか、足を引っ張る言動ばかり、しでかしていたことを。
そんなつもりもなかっただけに、性質(たち)が悪い。
彼には、そう総括されているのではないか、とも。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
かの小説家は、その彼をモデルとした人物も描いては、いる。
だが、他の男性職員ほど登場割合が多いわけではないのです。
それだけではない。
かの小説家氏は、丘の上に移って後の少年時代をまったく描かない。
少なくとも、主たる自分の「影」を、その地には登場させていない。
確実に、入所児童としての彼は、小説群には全く反映されていない。
ただし、大学入学後については、この限りではない模様であります。
・・・ ・・・ ・・・・・・・
なぜか?
その時代を書いていては、話が持たないからですよ。
昨日もお話ししたとおりです!
ノーコメントです!
ってか?
↑ そのとおりですよ!(元入所児童の作家氏・談)
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