第12話 給食がないときの弁当

 遠足や運動会なんかで給食がない日は、弁当が出ます。

 別に、何かやらかしての「執行猶予」なんかじゃない。

 普通の、家なんかで作るお弁当と、一緒のものである。


 その子専用の弁当箱なんてないから、使い捨ての弁当箱。

 お箸もいっしょ。使い捨ての権化・割箸がついて参るぞ。

 新聞紙で包み、輪ゴムを止めてね・・・、

 じゆうのもりのおべんとう、できあがり。


 かくして、自由の森から自由な社会へと、子どもたちは飛び出す。

 ただし、本当に自由な社会へ出られるのは、18歳になってから。

 昔は、15歳で中学校を出れば放り出されておったようであるぞ。

 そんな話は、ぜひまた、別の回でやりたいと思っておるところや。


 ともあれ、弁当を持った子どもたちは、学校へと行って参るのね。

 何だか、拘留中の刑事被告人が法廷で縄を解かれたような感じや。

 あ、れ、れ? あ、れ、れ? あ、れ、あ、れ、あ、れ、れ?→!

 書いていて思ったけど、この弁当、消えたらまた、逆戻りやがな。

 自由の森とは名ばかりの、自由じゃない、群れさせるだけの森に。


・・・ ・・・ ・・・・・・・


 これぞまさに、仮釈放、ってか?


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