「認知其の二 冒険者視点」

俺は剛輝ごうき林三郎りんさぶろう!!

冒険者としての活動歴は、

冒険者ギルドが設立された初期からだ…


なんと言っても、ダンジョン発生時の大災害を経験して、生き延びた冒険者だからこそ、

ダンジョンの危険性を身に染みている。


設立初期から冒険者だからと言って、

ランクが高い訳ではない。


俺が冒険者登録を行った初期の頃は、

ダンジョンの危険度が高かった。

ギルドの方針で「力」を持っていようと、

経験を積ませるために登録者は、

最低辺のG級からだったがな…

今では、俺の冒険者ランクはC級の中位だ!


ギルドの方針は間違えではなかった。

歴を重んじるよりも経験を重んじることで、

死傷者が少なったからだ!!


因みに、冒険者のランクは、

L級、SSS級、SS級、S級、A級、

B級、C級、D級、E級、F級、G級

だと定義されている。


L級は未だいない。世界的には分からない。


現在判明しているSSS級は、

国に従事している強者、ファースト達、

ダンジョンを攻略し続けた冒険者だ…


圧倒的な実力がある者は登録時に、

S級~SSS級になる可能性を秘めている。


徐々に力をつけることで、

ランクが上がることがある。


G級とは、ギルドに登録されたときに、

与えられる名誉冒険者の証であり、

依頼を完了するとF級に昇級する。


F級~は依頼達成数、魔物討伐数、

ギルド貢献度を加味してランクが上がる。


同ランクでも、上位、中位、下位、

と分類され、強さが違うのだ・・・


冒険者ギルドで心惹かれる依頼が、

無かったので寛いでいたら、

後輩がある配信者の話を振ってきた。


――――――――――――――――――――

※後輩こと…『川上かわかみ悠貴ゆうき

林三郎のことを慕っている。

――――――――――――――――――――


川上「林三郎りんざぶろうさん、動画って観ますか?」


「当たり前だろ!!ダンジョン内で、

 配信しているのだから観るぜ!

 情報は命の次に大事だからな!!」


川上「そうですよね、すみません。

それでですね、先日、Vtuberになったばかりの男性がリアルでダンジョン配信する!って、

話題になっているんですよ!!」


「ほおぉ、上位陣も言ってた配信者の事か…

 それで、その男性は強いのか?」


川上「強さはわかんないですが、

面白く、常識が欠如している印象です!」


「それはいいなw面白くおかしいなんてなw

 配信しているなら動画を投稿するだろ!!

 まぁ、最初は誰しも弱いもんさ…

 この界隈は自分を守れる強さが、

 必要だからな!!

 それよりダンジョンに潜らねえか??」


川上「林三郎さんが強さを聞いたのに、

 興味を無くさないでくださいよw」


「よく考えたら体型も何も知らないのに、

 強さを聞いても意味がないなと思ってな!」


川上「では、動画だけでも一緒に確認しましょうよ!!」


「どれだ?これか?」


川上「そうですけど…これってアルバイトのおすすめは!!ですよ…」


「面白そうじゃねぇか!!

 経験や知識が豊富そうじゃねえか!!

 とりあえず工場での仕事についてを、

 観てみようぜ!!」


川上「いいですね!!これですね…」


「・・・工場でのアルバイトは、

基本的に止めときましょう。

何か特別な思いや夢がないなら、

選ばないことをおすすめします。

拘束時間が長いので、

勤務体制は必ず確認しましょう。


二交代制勤務の場合、

日勤、夜勤で実働しています…

1日稼働が求められているところでは、

12時間勤務となります…

激務ですと時間が経つのが早く感じますが、

閑職だと時間が経つのが遅く感じます。


三交体制勤務の場合、

報連相が上手く機能している所では、

業務に支障が出ることは少ないです。

ただ、連絡事項などを疎かにしている所では、

過度な要求やプレッシャーと向き合わないと

いけないので辞めていく人が多いです。

時間に追われることはあれど自由です…


「労働時間」が長く「交代制勤務」が増えると身体的負担が大きくなると、

精神を病む可能性があります。

ただ、正社員雇用なら給金は良いです。

ですが…人間関係がとても大切です。

人間関係や連なる事象で、病んでしまい、

辞めていく人が後を絶たないです。


『去る者は追わず来る者は拒まず』ですね!


 人手不足なので募集が随時されています。

 人手不足が深刻ですが、

 原因が明白な場合と曖昧な場合で、

 対処方法が変わってきます。


 募集をかければ人は集まると考え、

 社員、アルバイトを雑に扱かっていると、

 就活サイトや口コミに、

 リアルな声が書き込まれています。


 酷い場合は、パワハラやセクハラといった、

 ハラスメントの書き込みをされることも…


 アルバイトだろうと社員だろうと、

 投げやりな対応では人手不足になるのは、

 仕方ないです。。。 


 言われたことを言われた通り働ける人は、

 稼げるとは思いますよw

 楽なのか聞きたいですよね~?

 重労働が楽と思えるのなら楽ですよ~

 奴隷生活を楽しめる人はおすすめですが、

 一度でも反抗的な態度を取ると、

 業務に支障が出てしまうので、

 絶対に先輩や上司からの指示に、

 従って行動してください!」


「こいつやべーな…精神ぶっ壊れてるな…」


川上「林三郎さんでもやばいと思いますか?」


「当然だろ!!一体なにがあれば、

 こんな精神になるんだ…?

 これが①と明記されてた以上は、

 まだ前編ってことだろ…」


川上「続きが気になりますね!!」


「あぁ、続きが気になるな!」


川上「神山が選んだこの仕事が、

駄目だっただけでは??」


「この仕事以前の問題だ…」


川上「この仕事以前の問題だと、

 どうしてわかるんですか?」


「声だよ…気持ちてか感情!!が、

 負に寄っているんだ!

 こんな社会なら潰してやるって意志が、

 見え隠れしているだろ!!

 こういった奴は闇落ちすることが、

 多いんだがな…」


川上「!?もし彼が力を手にしていたら…」


「俺達が出る幕ではないな。

 彼の支えがなくなればそれまでだな…」


川上「そんな・・・」


「彼の現状に同情するのもいいが、

 彼自身を見て判断することも大事だぞ!」


川上「彼に会う機会ありますかね?」


「上位陣から聞いた話で、

 俺はまだ観ていないが、

 Vtuberの自己紹介の際に、

 冒険者ギルドに登録することを、

 話していたみたいだぞ!

 だから、その日にギルドに居れば、

 彼に会えるだろうな!!」


川上「そうなんですね!

上位陣もその日はギルドに顔を出すんですか?」


「あの人達は滅多に集まらないのに、

 集まって彼のことを熱く語っていたから、

 当然、来るだろうな…」


川上「えっ…上位陣が集合していたってことですか!!」


「あぁ。そうだ!

上位陣はまだ2階で団欒中だからな!

上位陣が降りてくることを心待ちにしている、

冒険者がギルド内に群がっているわけだな…」


川上「・・・そういや林三郎さん、

 2階から降りてきましたよね…」


「あぁ、上位陣と談笑して降りてきたんだよ!

 だから、2階には戻らないからな!!

 降りてきてからチラチラと俺の事を、

 不審に思っている冒険者が、

 居るようだがな!」


川上「は?どいつですか__?」


「「「「「・・・」」」」」


悠貴ゆうき殺気をしまえ!!落ち着けよ…」


川上「はい。すみません…」


「此処に居る冒険者は知らないだろうが、

 俺は大災害の時にファーストに、

 助けられ、ファーストの危機を救っている。

 その甲斐があって、話が出来たんだよ!」


川上「それでは…今、2階に居るのは…」


「あぁ、ファースト達だぞ!!」


川上「林三郎さん…もっと早く言ってくださいよ!!」


「悪いな!ファースト達もギルマスと、

 話すことが多いんだろ!

 あの人達のことを気にするだけ無駄だぞw

 自由奔放だからなww」


川上「自由人ですもんね…」


「今日は依頼もないから、帰るか!!

 帰って神山の配信の続き観るわ!

 悠貴、はやく帰るんだぞ!!」


川上「そうですね。帰って先程の続き観たいっす!ではっ!!」


・・・


「さて、ファースト達上位陣から聞いた、

 Vtuberの配信でも閲覧するか…

 神山煌翔…ふむ…覚えたぞ!

 彼が冒険者ギルドに来る日が楽しみだな…

 恐らく、上位陣のランク的に、

 登録時の試験には不向きだから、

 上位陣が試験を行うことは無いはずだ。

 そうなると、なんらかの方法で、

 彼の試験を視ようと画策するだろうな…」


・・・


「林三郎さんの言ってた通り、

神山煌翔は闇が深いっす!!

ダンジョンに潜ったら、

闇魔法を取得しちゃうんじゃないっすかね…

今はまだ闇魔法の使い手が糾弾されることは、

ないですが…あの政治家は気に食わないと、

権力を笠に好き勝手すると思うっす…

闇魔法の使い手は徐々に増えていますし、

闇落ちしてしまうことが多いと聞くっす!

林三郎さんに明日相談しよう…」


------------------------------------------------------------

次回主人公視点です

林三郎さん…後輩に慕われてて良いわね!!

応援よろしくお願いします!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る