【短編】幼馴染が俺のことを好きだと知ってしまったので、俺も幼馴染に好きだと告げる。

羊光

ヒロイン視点

「いえーい! 明人! 真面目に授業を受けて偉いね!」


 私は授業中に明人へちょっかいを出す。


「…………」


 でも、明人は私のことなんてまったく気にしていない。


「ねぇ、これならどう?」


 私は制服のスカートの端を摘んで、パンツが見えないギリギリの範囲でパタパタとさせる。


「ほら、こんな間近で同級生の女の子が際どいことしているよ~~」


「…………」


 でも、明人は相変わらず無反応だった。


「ふふふ、じゃあ、私のとっておきの秘密を教えちゃおっかな~~」


 私は明人の耳元へ近付いた。


「実は私、明人のことが好きなんだよ」


「…………」


 私の愛の告白に対して、明人はやっぱり無関心だった。


 それを見て私は悲しくなる。


 明人は私を無視しているわけじゃない。

 

 明人には私の姿が見えていないし、声が聞こえていない。


 だって、私は…………


「もう死んじゃったんだもんね……」


 明人へ伸ばした手が彼の体をすり抜ける。

 こんなに近くても明人には触れられない。


「こんなことになるなら、明人に告白すれば良かったよ……」


 私はまた泣き始める。

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