【詩】見えざる光

野口マッハ剛(ごう)

釣り人

真っ暗の底に釣り人が居た

釣り糸は上へ上へと向かう

その上には魚が泳いでいる

楽しそうな魚がいっぱいある

釣り人がなかなか魚が捕れないものだから竿を力任せに真っ二つ


釣り人は上へ上へと泳いでいる

一頭のクジラがやって来た

どうしてきみは竿を折ったんだい


上へ上へと泳いでいる釣り人は自分の釣り糸に絡まっていく


釣り人は上へ上へと溺れてゆく

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【詩】見えざる光 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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