私はきっと、満たされない。

@mari0212

第1話 T君①

 〃あなたは純真無垢な私の最初の1ページを飾ってくれました。〃





 とても綺麗なイメージの前書きだが




 T君はただのDV男である。





 彼氏という存在は、中学の時に何となく子供心ながらにそういう対象の男の子がいたがそれが果たして彼氏と言えるのかは謎で、私の中で省かせてもらった。



 その上でこのT君は私の人生で何色かは分からないが初めて色をつけてくれた様な存在だ。



 かつて高校生だった私が初めてバイトをした飲食店で声をかけてきてくれたのがこのT君だ。


 その時の私は異性に対しての免疫もなく、ましてや女家庭で育ったが故に年上の男性との絡みもない。


 こんなスペックな女の子が、その後バイト帰りに毎日のように家まで送ってくれる様な男に落ちないわけもなく、出会って1ヶ月で人生初の彼氏ができた。



 T君は言うなれば低学歴で大した容姿でもなく秀でるものはその綺麗に染まった金髪頭だけで他に何一つ良いところなんて無かった。

 それでも何も知らない無垢な16歳には刺激的で高貴な存在にすら思えたのだ。



 今思えばその側から見ても秀でるところがないというコンプレックスが、彼をDVをする様な男に仕立て上げてしまったのかもしれない。



 話は変わるが人生16、7年しか生きてない子供に、親になった私ならどう言う風に恋愛と言うものを教えるのか、ふと考えてみた。

 結果その環境下に置かないようにする他ないのかと経験上悟った。


「高校生でバイトをしないといけない環境にしない」


「高校生でバイトをしても夏季のみ、そして勤務時間は昼のみ」


 そう言う避けて通れる道は避けさせるべきなのかもしれない。

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