第17話 不穏な4日目•5日目

 4日目

 今日、俺には王様との初面談が予定として入っている。

 そのため俺には似合わない風格の扉の前に俺は立っていた。


(噂にはとても若くして即位された王様だと聞く。

 おそらく、デスゲーム参加者の顔をしているだろうが、今のところ顔見知りはもう全員確認できてるから、俺が名前はまだ知らない参加者なんだろう、、、)


 ***

 コンコン

「王子、タナトス•ロキ、参りました。」


「入りなさい。」


「王様、お初にお目にかかります。」


「そうかしこまらなくてもよい。

 私と貴君は年もほとんど一緒だと聞く。」


「分かりました。

 それで、今回はどんな要件で俺を呼んだのですか?」


「いや、何もこれといった要件があるわけでもなく、臨時裁判長とは一回は面談をする決まりとなっていてな、、、」


「では、、、私から質問してもよろしいでしょうか?」


「ああ、構わぬぞ。」


「王様は自分の妻である王妃様と娘の白雪姫様のどちらが有罪になるとお思いでしょうか?」


「、、、いきなり攻め入った質問をするなぁ。

 まぁ、、、私としては、、


 "わからぬ"


 としか言えない。

 何故なら、白雪姫にも何かあるのもわかっている。

 でも、、、ペスにも何かあるんだろう。

 私の心構えとしては、どっちが勝っても何も言わない。

 これだけだ。」


「、、、いい心がけですね。

 私も今回の裁判、慎重に判断を下していきたいと考えております。

 では、私はこれで、、、」


 ***


 俺は王様役のやつとは面識がなかったが、

 かなりの修羅場を生きてきたんだろうなと思う。

 そんなことを考えながら王宮を歩いていると、小人たちが話しているのを聞いてしまった。


「ねえ、もうやめない?

 こんなことをする意味って何?」


「意味?なんでそんなことを聞くんだ?

 王妃を精神的に追い詰めるため、なんでわかってないんだよ!」


 どうやら、小人同士で言い争いをしているみたいだ。


「だからぁ、これ以上王妃のことをいじめて、精神的に追い詰めて、何をしようっていうの?」


 そう言い返していたのは俺と恋人だという嘘を言い放ったあの女だった。


(あの女、、、まぁまぁいい所もあるんだな。

 それより、やっぱあいつら、意図的にいじめをしていたのか!?

 一回、王妃様の元を尋ねてみる必要がありそうだな、、、)


 ***

「急に部屋まで尋ねてきて何のつもりだい?

 王子や、、、」


「いえ、、、

 これといった用事はないんですが、、、

 最近、大丈夫かなと心配しまして。」


「ああ、アディーを使った白雪姫の調査のことかい?

 それなら、思ったより順調、、、」


「え?アディーって誰ですか?」


 王妃様は口を手で押さえた。


「あっ、私ったら、口を滑らして言ってしまったよ、、、まぁいい、ここまで言って隠すのは無理だろうからな、、、おい、小僧、、、明日もここにきなさい。」


「その時今おっしゃったアディーという人物に会えるんですね?」


「ああ、仕方なくね。

 でも、このことを誰にも言わないという条件は飲んでもらうよ。」


「もちろんです!

 じゃあ、また明日ここを尋ねます。」


 そう言って、俺は部屋を出た。

(王妃様が本当に口を滑らしたのか、それとも何か策略があって口を滑らした様に見せているのか、俺にはわからない、、、でもここに来てよかった。

 これだけは確実だ。)


 5日目

 俺は今日、王妃様の部屋で白雪姫を秘密裏に探っていると言われるアディーという人物に会いに行く。


 ***

「やぁ、よくきたね。待っていたよ。」


「はい、、、でもアディーという人物がいないように思えるのですが、、、」


「いいや、しっかりいるとも。

 ほら、私の後ろにいるでしょう。」


「え!?急に暗闇に、、、どこから現れたんですか?」


「アディーはね。

 この国でも数少ない、高位魔法使いなんだよ。

 ね?アディー?」


「はい、私はペス様にお仕えする高位魔法使いで現在は白雪姫の真実を調べています。」


「...それは証拠集めということですか?」


「はい、そうに決まってます。」


「なるほど、では今のところわかってることだけでも教えてくれませんか?」


「実はまだ調査中の案件なのです。

 明日までには突き止める算段です。」


「そうでしたか、、、」


「ところで、何故坊やは白雪姫の事を支持する、いや、?」


「どういうことですか?」


「いや、これはまた明日話そう。

 明日も来なさい。」


「、、、王妃様、私を他のところに行かせない作戦ですか?」


「ふーん、中々頭が切れる王子じゃないか。

 でも、あんたは必ず来る。必ずね。」









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