第4話 デぇスゲぇーーーム!!!!
俺は自分の席に座った。
教室は意外にも静かだった。いや、緊張した空気が張り詰めているためだろう。
ガタ、ガタガタ
その静寂を破り一人の屈強な男がドアを開けて入ってきた。
「よぉ、お前たち!
これからこのクラスの担任をすることになった、王都直属自警団団長ガイラ•エリーニュだ!
気軽にガイラと呼んでくれ!!」
「自警団団長って、騎士団長に次ぐ実力と言われる王都の中でも最強の1角じゃねぇか、、、」
周りが少しざわつく。
「オッホン!
お前らひとまず静かにしろー。
まず、最初にこの学校について軽く説明しようと思う!
聖魔ディスティニー学園は1クラス15人の少人数制である。
それに加えて、世界1の魔法学園であり、学園の中にある物は全て魔法で動いている!
さらに!!!
王都の広大な敷地を利用しているため、様々な施設がある!
さて、これからお前たちにはその施設を高学年に案内してもらうという作業が控えてる。」
「先生、一つ質問をしてもよろしいでしょうか?」
そう質問したのは白い修道服を見に纏った美しい女の子だった。
「お!お前は、、、聖女様か!
ああ、質問してもいいぞ」
「はい。わたくし聖女、ヒルメ•アマテラスが質問させていただきます。
この学園の物は全て魔法で動いているといいましたが、魔法がハッキングされたらどうするんですか?」
「ハッキング?
ははは!この学園の防護魔法は初代魔塔主がかけたんだ。
これをハッキングする魔法なんて、、、
この世に存在しない!!
この俺が保証す、、、」
その瞬間、校内放送が聞こえて来た。
「システムエラー、システムエラー、
1年生棟の設備全てがハックされました。
皆さん、ただ、、ちにひ、ひ、避難をお、ね、、がい、し、しま。」
「んあー、前言撤回。
お前たちはひとまずそこから1歩も動くんじゃないぞ!
くそッ、ドアは開かないか、、、」
(なんだと!!
何が起きたんだ?こんな事が起きるなんて普通じゃない、、、)
「こんな扉、壊せるんじゃねぇの?」
そう啖呵を切ったのは先ほどの勇者の一人、
炎属性のルーグ•ヘリオスだ。
「じゃあ、やってみる笑?」
答えたのは同じく勇者の一人、
木属性のアムルタート•マフラだ。
「それは無駄なんじゃないかな笑?
ゆ•う•しゃ•さ•ま?」
俺の隣に座る奇妙な雰囲気の少年が答えた。
「あ?なんだお前?お前に何がわかるってんだよ!」
「うーん、そうだね。
まず、この学園は全てミスリル製。
そこでまず壊せないし、今ここをハックしている魔法は僕のご先祖様の魔法よりも高度だ。」
「どういうことだよ笑?
お前の先祖?」
「ああ、僕は現魔塔主の息子。
ギルガメッシュ•ヴァンだ。」
一連の会話を通してこのクラスにいる16人は理解した。
"俺は監禁されている!"
"私は監禁されている!"
沈黙が続いた。
状況の好転をみんな祈っていたと思う。
「ピー、ピー、あ、あ、あーー
聞こえてるぅー?」
突然の放送。
全員が一斉に放送に耳を傾けた。
「聞こえてるなら話すねー。
私はこの学園を乗っ取った者だ。
今諸君は何をされるのか不安になっている頃だろう、、、その不安を解消するために私は諸君に伝えよう。
ズバリ!!!これから諸君がするのは、、、
デぇスゲぇーーーム!!!!
これで、、、不安は無くなったかな、かな?
このメンツでデスゲームなんて、、、
絶対!楽しぃよねぇ!私も混ざりたいよ
、、、」
俺や勇者のような異世界人はこの意味がすぐ分かったが、この世界の人々は聞き馴染みがないらしく周りの様子を伺っている。
「あれ?
ああ、デスゲームがわかんないのかな?
デスゲームっていうのは、、まぁ、、、
言っちゃえば、、殺し合い、、、かな?」
ボイスチェンジャーを使ってるかのような声が発したその発言は本来、クラス中がパニックになってもおかしくはなかった。
「殺し合い?ヒソヒソ
ほんとにそんなことあるの?ヒソヒソ」
俺は最初、みんな現実味を感じていないんだと思っていた。
(デスゲーム、、、だと?)
しかし、自分の心の中に
"こんな機会滅多にない"
この言葉が生まれた瞬間、他の奴らの顔に隠しきれない笑みが溢れているのに気づいてしまった。
(なるほどな、、、"訳あり"な奴は俺の他にもいるってこと、、、だな?)
ある者は復讐を、
ある者は使命を、
ある者は欲望を、
ある者は嫉妬を、
様々な思惑が交差し合うデスゲームが今
始まろうとしている。
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