入眠困難 ー薬に頼るー
保育園に通っていた息子にとって1日のルーティンは大切だった。
我が家基準になってしまうが、
1歳ごろに必要な睡眠時間が最低11時間だとする。
保育園の昼寝が約2時間。
そうなると夜必要な睡眠時間は9時間となる。
朝は7時30分に自宅を出発しないといけないので、
息子は6時30分頃に起きているのが理想。
逆算すると、21時30分には眠りについている必要があった。
1歳当初から息子の寝かしつけには苦労していた。
夜に寝かしつけ始めて眠りにつくまで3時間は当たり前、2時間で寝てくれたらかなり早い方だ。
4歳になる直前までは、保育園で昼寝をする時間帯に合わせて休日も昼寝をさせていた。
休日だけ昼寝を辞めると夕方眠くなって寝てしまい、夜に目が覚める。
そうなると夜は全く寝ない(明け方まで起きていた)。
だからといって昼寝を辞めて夕方頑張って起こしていると、息子は眠気で苛立ちはじめるし
眠気ピークを越すと逆に目が冴えてしまうので、必ず夜寝てくれるとも限らなかった。
休日の間に体内時計が狂うと、ただでさえ寝不足なので体調も崩しやすくなる。
息子の体内時計を元に戻すのも、かなり日にちを要した。
このように息子の体内時計は狂いやすいため、1日のルーティンがとても大切なのだ。
息子が夜寝るために、私にできること。
それは体力消耗に全力を注ぐこと(息子は体力おばけ)。
平日は保育園に1日いるのでどうしようもないが、
休日は早い時間から公園で存分に身体を動かす。
我が家の休日は、夏以外ほとんど公園にいる。
車で行く距離の大きな公園なら午前中に目一杯遊べるのだが、
徒歩や自転車で行く距離の小さな公園であれば午前中で4ヶ所くらいはしごすることも当たり前だった。
ゴールデンウイークなんて、毎日違う公園に通っていた。
なんだかんだ子供は公園が一番喜んだから、とても楽しそうだった。
(買い物などは苦痛みたい。)
夏だけは熱中症を恐れてあまり公園には行かない。
水遊びをすることが多い。
施設のプールに行くこともあるが、自宅でプールや水遊びの道具を出すことが多い(楽だから)。
そのまま庭でバーベキューをすることもできる。
虫取りやザリガニ釣りも大好きだったので、息子が水着のまま虫取り網とカゴを持って道を歩いていることもしばしば・・・まるで昭和のような風景に近所でもよく笑われていた。
そんな日々を過ごしながら(体力消耗の日々と戦いながら)
20時30分から21時までの間に布団に入るようにするが、
実際に寝るのは早くて22時30分、遅くて24時前後。
眠れない息子は、次男のことも起こしにかかる。
絵本を10冊以上読んでも全く寝る気配なし。
子守歌も効果無し。
ドリーム〇イッチも目が冴える。
最終的には私が寝たふりをするしかなかった。
ただ、眠りにさえつけば息子は朝まで起きない。
それでも目標である睡眠時間11時間には全く及ばない。
ママ友から子供同士遊ばせようと誘われる日もある。
そのような日も、私は「昼寝があるから午前中しか遊べない」と事前に伝える。
するとママ友は
「それだったら遊ぶ時間が全然ない。昼寝なんてさせる必要ないよね?もし遊んでる最中に眠くなったらそのまま寝かせとけばいいと思うよ」と言うけど、そうではない。
”眠くなったらそのまま寝かせておけばいい”わけではなく
息子の身体には”昼寝をするための時間”が必要なのだ。
友達といたら遊びたくなって息子も昼寝どころではないだろう。
そうなるとその場は楽しくて良いかもしれない。
だが明日からの日々が狂ってしまう、寝不足の悪化、体調を崩す可能性。
それに、我が家の休日は朝早くから行動が始まるため午前中だけでも十分長く感じるが、ママ友の家庭では早くても午前10時30分を過ぎてからではないと遊べないというので”午前中”というと遊べる時間が短い。
家庭によっての”午前中”の感覚は全然違った。
結局私がいくら言ってもそのママ友は理解してくれなくて、次第に遊ぶ約束すらしなくなってきた。
このママ友とは互いに言いたいことを言える関係なので、別に悪い関係ではない。
ただ互いに考えが違うから仕方なかっただけ。
連絡は今でもずっと取り続けている。
息子の寝かしつけに苦労していることを他のママ友に話しても
「寝かしつけは本当大変だよね~」「どこも苦労してるよね~」
一時期通っていた支援センターで話しても
「そんなに神経質にならなくて良いと思うよ」
私の親に話しても
「本の読み方が悪いのでは?」「テレビばっかり見させてない?(見させてない)」
次第に私にとって”寝かしつけ”とは皆が苦労するものであり、苦痛が当たり前なのだと思うようになってきた。
そう、これが当たり前であり普通の日常なのだと。
それが、息子が4歳になる直前くらいから全く昼寝をしなくなったのだ。
周囲に相談した結果、4歳になってから昼寝を辞めることを決意。
昼寝を辞めてからも夕方に眠気は来なくて、夜は今まで通り。
息子の身体に昼寝が必要なくなったのだ。
(家事をする時間が短くなるので私は少しガッカリ。)
それでも相変わらず夜の寝かしつけには3時間くらいかかってしまう。
私も歳をとったせいか、今まで私は”寝落ち”したことが無かったのに、息子が4歳になる前くらいから寝落ちするようになってしまっていた。
私が息子より先に寝てしまっているので、息子が何時に寝たのかも分からない。
それでも息子は、どれだけ寝るのが遅くても必ず6時台には起きている。
寝落ちするようになった私は深夜に目覚めてしまうので寝不足が続き身体も疲れ切っていた。
家事を済ませて一緒に寝ていたのならともかく、洗い物が残っていることだってある・・・。
深夜から洗い物を始めると余計に眠れない。
そのまま朝まで起きていて仕事に向かうこともしばしばあった。
そんな我が家に救いの手が差し伸べられた。
6歳(就学前)のとき
特別児童扶養手当の申請のため精神科を受診した時のことだった。
先生から「睡眠について教えてください」と聞かれたのだ。
私は”普通”に
「20時30分頃に布団に入って、眠るのは23時30分頃です。朝まで目覚めることなく寝ています。」と答えた。
その瞬間、先生が目を見開く。
「寝かしつけに3時間もかかるんですか・・・?」
おそるおそる訊ねる先生を見て、私は不思議に思った。
「え?はい・・・え?」
戸惑う私を見て、先生は何度も瞬きする。
「普通はそんなにかかりませんよ?」
「え?・・・普通じゃないんですか?」
当時の会話はよく覚えている。
だってみんな寝かしつけには苦労してるんでしょ?
なかなか寝ないのって当たり前なんでしょ?当たり前なんじゃないの?
理解するまで少し時間がかかった。
このとき初めて”普通”ではないのだと知った。
そして、メラ〇ベルが処方された。
寝かしつけのため薬を使うことに少し罪悪感を抱きながら・・・。
だが薬を飲んだ初日・・・1時間以内に寝たのだ!!
なんという感動!!!
きっとこの感動は他の人には分からないだろう・・・。
後日、「昼寝なんて別にさせる必要ないよね」と言ったママ友にこの感動を話した。
するとそのママ友は「寝かしつけに3時間もかかってたの!?うちは30分もかからなかったよ!?」と言う。
大爆笑しながら、何年も前の私の話をようやく理解してくれたのだ。
「寝かしつけは本当大変だよね~」「どこも苦労してるよね~」と話していたママ友達にもあとから聞くと、寝かしつけに30分もかからなかったらしい。
メラ〇ベルを飲み始めて本当に寝かしつけが楽になった。
「5年前から薬を飲ませていれば・・・」とかつい思ってしまうけど、これからの未来を考えると暗闇から出られたような気分だった。
もちろん、飲んでも寝ない日は月1回のペースであるけれど、以前のことを考えると全く気にならない。
誰にだって寝たくない時はあるもんね。
息子の寝かしつけに使ってた約3時間が短縮されたおかげで、私も家事を考えながらイライラしなくて済む。
そして息子の睡眠時間もしっかり確保される。
・・・なんて素晴らしいのだろうか!
睡眠時間をしっかりとることが出来るようになった息子は、苛立ちや暴れまわることが少し減ったように思う。
苦労していた当時は、インターネットでも調べていたから自分達と同じような人が多いのだと思っていた。
子供が寝なくて困っている人たちがこれを見て少しでも病院に相談しようと思えたら良いと思う。
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