特別児童扶養手当の認定 ー中度障害ー
特別児童扶養手当(20歳未満)とは、
簡単に言うと身体・知的・精神の障害が1級か2級(中度)と認められた場合に手当が支給される制度(地域によって内容が異なるかもしれない)。
療育手帳の申請を検討していた時、同時に”特別児童扶養手当”の申請も検討していた。
小学校進学に向けて仕事を辞めないといけないほど息子の障害の程度が重いのであれば、知的が軽度判定でも自閉スペクトラム症は中度になるのではないかと考えたからだ。
言語の担当に相談すると
療育手帳の相談をした時と同じく、あまり良い顔はしなかったが「次回精神科の診察時に相談して下さい」と言われた。
精神科の診察予約は3ヶ月先だったが、今まで約2年間申請していなかったのだから、今更急ぐことでもないと思って3ヶ月待ったのち精神科の先生に相談した。
この施設では、自閉スペクトラム症で申請する人はあまりいないようだ。
精神科の先生は、嫌な顔をするわけでも無いが
「診断書を作ることはできますが、認定されるかどうかは分かりませんよ・・・。」と控えめに答えた。
他の診断書とは違い、特別児童扶養手当の診断書は初回1万円以上の文書料がかかるからだ。
当然、特別児童扶養手当の認定に落ちてもこの金額は戻ってこない。
私が住んでいる市は認定が厳しいと噂で聞いていたし、
インターネットでも自閉スペクトラム症の申請について「特別児童扶養手当、落ちた」という内容を沢山目にしてきたから、正直息子も落ちるかもしれないとは思っていた。
なので、落ちることは承知の上で、診断書の作成をお願いした。
療育手帳の申請をした時と同じ気持ちだったからだ。
もし認定されたら手当で助けてもらえるし、
もし落ちたら息子の障害の程度が軽くてラッキー、くらいに思おうと決めた。
この日は日常生活の相談をする暇もなく、診断書に記載する質問内容の受け答えだけで診察時間が終了した(約1時間)。
いつもは、私が困っていることを相談して解決策を教えてもらうという流れだったため
今回のように先生から「〇〇はどうしていますか?」などと色々な視点から具体的に質問されることは初めてだった。
だからこそ、ここで初めて息子が他の子とは違うと気付いた点もあった。
私もつい「え、これって普通ではなかったんですか!?」と大きな声を出してしまうほど。
そのことについては毎日のことでとても苦労していたが、
育児なんてみんな同じように大変だと思って重要視していなかった部分だ。
日常の一部になっていた苦労が、解決する方向へ転換した。
新たなことに挑戦すると、このように新しい発見もあるのだ。
後はその他の質問内容も正直に答えて、問題行動なども覚えている限りで伝えた。
診断書の作成には約2週間かかった。
早速目を通すと、最後の方にある項目 ”医学的総合判定” の欄には
「要注意度が高い」「総合的に中度の障害を有する」と記載されていた。
本当にその通りだと思う・・・。
その後は特別児童扶養手当の申請手続きのため、
福祉事務所へ診断書と他の必要書類を持って行った。
申請書類もその場で指示通りに記入するとあっさりと手続きが終わった。
あとは審査結果を待つだけ。
申請手続きの際に、福祉事務所からも「認定は難しいかもしれない」と言われたので、あまり期待しないようにして気長に待つことにした。
そして、ほぼぴったり1ヶ月後に結果が届いた。
封筒の膨らみ具合で「まさか・・・!!!」と期待した。
中身は、認定通知書と折りたたまれた証書。
微かな期待は持っていたものの、本当に認定されるとは思っていなくて(ほぼ諦めていたし)、嬉しくて涙が出た。
だって本当に息子の行動には苦労させられていて、
今後は私の収入も無くなるわけだし
テレビだって何回も倒されたり、液晶を割られたりして買いなおしてるし
家だって壁に穴開けられるし、床はえぐれてるし
・・・とにかく破壊行動が非常に激しい。
私の疲労度はMAXだった。
誰かに褒めて欲しいわけではないけど、「頑張ってるね」と優しい言葉をかけてもらえると涙が出てくる。
だからこそこの認定が、自分の苦労を肯定してもらえたような気にさせられた。
他人からしたら、「発達障害くらいで手当もらってるの?」と嫌な気持ちになるかもしれないが、本当に予想外の出費が多いのだ・・・。
もちろん特別児童扶養手当にも更新があるので、
障害の程度が軽度と判定されると手当は無くなる。
それでも、働けなくなった私が少しでも安心して子育てするためにすごく助けられた制度だった。
あの時、息子が”特別児童扶養手当”の程度に当てはまるかもしれないって気付けて良かった。
(福祉事務所では自分から聞かないと教えてもらえない。)
諦めずに行動して良かった。
ーーーだが喜んでいる場合ではない。
手当を受け取る以上、1日でも早く息子の障害が良くなるように努力しなければならない。
息子が少しでも伸びていくように、私は頑張る!と改めて心に決めた。
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