自由へのバトルロワイヤル

ミンイチ

第1話

『戦闘エリアが縮小します』


 敵を狙撃すると規定の残り人数に達したらしく、黒い壁が囲んでいるこの空間が少しずつ狭くなっていく。


 視界の端には、自身が狙撃して殺した敵の名前が表示される。


「ナオヤ3056」


 同じ名前で同じ顔の敵を何度も殺している。


 同じ名前だと言っても前半の名前だけが同じで後半の数字は毎回違うのだが。


 自分と同じ顔の同じ名前の敵を殺すことも何度もあった。


 しかし、敵を殺さなければ自身が殺されるというこの世界の摂理がある。


 過去には馴れ合いで生き残ろうとしたこともあったか、世界を囲む黒い壁が迫ってきて、馴れ合いをしていたやつと共に潰されそうになった。


 そいつが先に圧死したから、俺は生き残った。


 この世界では、殺し合いを勝ち残った最後の一人だけが次の殺し合いに進無事ができる。


 そして、最後の最後まで生き残ったやつだけが自由になれる。



 遠くで銃声が聞こえ、視界の端で誰かが殺されたことが知らされる。


 こんどは、後ろから草が動く音が聞こえたため、振り向きながら左手に背中の盾を構えて右手でサブマシンガンを構える。


 周りを警戒すること10秒ほど、右から敵が飛び出してきて、そしてショットガンを撃った。


 盾の端でギリギリ弾を受けるが、破片が肌をかすめる。


 次の弾が撃たれる前にサブマシンガンの引き金を引き、敵の体に乱射する。


「ユウト6267」

 ショットガンの次弾は撃たれず、敵は倒れた。


 使えそうなものを死体から剥ぎ取り、次の獲物を探す。




『おめでとうございます

 あなたがこのラウンドの勝者です

 あなたは一定数の勝利を得ました

 後日、お迎えに上がります』


 最後の敵はこの世界に慣れていない新人だったため、高台からの狙撃一発で仕留めることができた。


 とてもあっさりした、どこか物足りなさを感じるものだったが、俺はこの世界での最後の戦いを終えた。


※少し続きます

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