【3600フォロー&36万PV突破!】VTuberを支えるためにマネージャーとして事務所に入社したら公式スタッフとして会社の顔になってしまったんだが?

梢 葉月

前略、 Vtuberを支えるためにマネージャーとして事務所に入社したら公式スタッフとして会社の顔になってしまったんだが?

スタジオを照らす照明がやけに眩しい。


「じゃあ、撮影開始しまーす!」


目の前に設置された撮影用カメラが俺に向けられる。


「なんでこんなことになったんだろうなぁ」


俺は、もともとマネージャーとしてこの会社に転職したのではなかったのだろうか。


「何してるの小波さざなみさん。ボーッとしてないで、司会進行よろしくね?」


傍らから、俺の元担当タレントがそういたずらっぽく声をかけてくる。


「だ、大丈夫ですかね、先日炎上したばかりなのに…」


「もう! あかりくんは気にしすぎですよ! 君も私達の大事な仲間なんですから。好きにやってください!」


もうひとり、事務所の売れっ子タレントからもそうエールを送られる。


「わ、わかりました……」


緊張しつつも、深呼吸を一つ。


「お願いします」


「はい! 本番3秒前、2……」


撮影が始まると、俺は後に編集され、そしてこの動画を見る視聴者に向けて、タイトルコールを行うのであった。



「新入社員、小波さざなみあかりに質問してみた! 『アイドルの質問に答えないなんてぇ……ありえませんよねぇ!?』……すみません、これって俺がタイトルコールするとこじゃないですよねぇ!?」






これは、マネージャーとしてVtuberタレントを支え続けようとした結果、公式スタッフとして会社の顔となってしまった俺の、ささやかな人生譚である………





うん、人生譚はやめよう、途中から自己嫌悪が溢れ出てきそうだ。

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