☆補足☆ エメラルド&サファイア

 ルビーのところで「特別な(品質の高い)ルビー」のことを書きましたが、エメラルドとサファイアにも「特別な」ものには別の呼び方があります。


 宝石というのは本当に面白いもので、品質のいいものや、ちょっと変わっているけれど美しいものについては、別の名前が付いているんです。

 折角なので、ここでご紹介しようと思います。


<エメラルド>

〇ゴダ・デ・アセイテ〇

 現在、エメラルドはコロンビア産が世界の産出量の半分以上を占めているといわれているのですが、そのコロンビアでは、最高品質のエメラルドのことを「 gota de aceite(ゴダ・デ・アセイテ)」と言います。


「ゴダ・デ・アセイテ」はスペイン語。「gota」は「滴・少量」、「de」は日本語で言うところの格助詞「の」、「aceite」は「オイル」を指します。

 つまり、スペイン語で「一滴のオイル(オイルの雫)」という意味です。

 何故このような名前が付いたかというと、オイルをコップなどに注いだときに、ゆらゆらと揺れるものがありますよね。あれがエメラルドのなかに見えるから、ということなのですが、資料が足りなくて確実なところが分かりませんでした。今後分かったら、追記したいと思います。


〇トラピッチェ・エメラルド(トラピーチェ・エメラルド)〇

「トラピッチェ・エメラルド」は、中心から6方向の外側に向かって、黒い筋模様が出ているもののことを指します。

「トラピッチェ」はスペイン語の「trapiche」のこと。サトウキビやオリーブを絞るときの圧搾機あっさくきのことで、この農機具に似ていることから「トラピッチェ・エメラルド」と言われています。

 コロンビアからしか採掘できず、エメラルドの産出量のうちわずが1%しか出てこないそうなので、価値も高いようです。



<サファイア>

〇コーンフラワーブルー〇

 カシミール産で、上品で落ち着いた色合いのサファイアのことを「コーンフラワーブルー」と称されることがあります。「cornflower」は日本語で言い換えると「矢車草やぐるまそう」のことです。「矢車菊」と呼ばれることもあるようですが、ヨーロッパ原産で夏に花が咲きます。

 色は桃色や鮮紅せんこうといった赤系の色もありますが、青紫や青も咲きます。これが大変きれいな色で、きっとその美しい色にあやかり名がつけられたのでしょう。


〇ロイヤルブルー〇

 サファイアといえば青。その色にふさわしい色として「ロイヤルブルー」と呼ばれるものもあります。「コーンフラワーブルー」はカシミール産のものでしたが、「ロイヤルブルー」と言われるのはミャンマー産のものです。

「ロイヤルブルー」は皆さんも聞き馴染みがあると思いますが、イギリス王室の公式色です。何故、「ロイヤルブルー」と名付けられたかまでは分かりませんが、カシミール産よりも透明度が高いと言われています。


 サファイアは産地によって最高品質のものの呼ばれ方が違うのですが、その産地が結構ありまして(笑) 長くなるので、とりあえずここでは特に有名なところをご紹介いたしました。

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