世界4大宝石

第1話 ダイヤモンド

 記念すべき第1話では、「ダイヤモンド」を取り上げようと思います。


【ダイヤモンドとは?】

「ダイヤモンド」は多くの方がご存じの通り、「炭素のみでできていて、地球上の天然物質のなかで最も硬く、傷つかない」と言われている鉱物です。

 最初の発見は、紀元前800年ころのインドだったと言われています。

 1700年代になると、ブラジルでもダイヤモンドは発見されていますが、それまではインドが唯一の採掘地でした。



【名前の由来】

<通説>

 ダイヤモンドの語源は、ギリシア語で「征服できないもの」を表す「adamas(アダマス)」から来ています。書籍によっては、「adamas」=「無敵」と表しているものもありますが、「征服できない」を言い換えれば「無敵」とも捉えられるので、人々に親しまれやすい後者の言い方になったのかもしれません。

 いずれにしても、「強くて、美しい」ダイヤモンドに適した名だと思います。


<雑記>

 また、ある書籍には「ギリシア語の『adamas』からラテン語の『adamantis(アダマンティス)』となり、英語の『diamond(ダイヤモンド)』になった」という説もありました。私が調べた限りですが、ラテン語ではダイアモンドを「adamas(アダマス)」と言うようで、ギリシア語の影響を受けたのかなと想像します。


 ちなみに、現在のギリシア語ではダイヤモンドを「διαμάντι(diamánti/ディアマンディ)」と言います。宝石を扱っている、とあるお店のHPを拝見したところ、これも「征服しえない」という意味をもっていると書かれていました。

 本当は「ディアマンディ」も辞書を用いて調べたかったのですが、ギリシア語の辞書は持っていないので確認できませんでした。いつか手に入って調べられたら、追記しようと思います。


<和名>

 ダイヤモンドの和名は「金剛石」です。「金剛」とは「非常に硬くて壊れない性質」のことを言います。(『明鏡国語辞典 第三版』より)

 元々は梵語(サンスクリット語)の「vajra」を、漢訳したもので、「堅固・最上」を指し、「何物にも壊されない」という意味があるようです。

 こちらもダイヤモンドにピッタリな名前だなと思います。



【メモ】

 ダイヤモンドは宝石にもなりますが、発掘されたもののうち、色が悪いなどの理由で宝石にならないものもあります。


 しかしダイヤモンドは、宝石にならずとも人々の生活に生かされています。

 天然物質のなかでダイヤモンド以上に硬いものがないことから、工業用の研磨剤として使われることはもちろん、家庭で使われる包丁研ぎのなかに含まれていることもあるのです。

 そしてその硬い性質を生かして、ダイヤモンドのカットにも用いられています。


「ダイヤモンドの原石をダイヤモンドで磨いて、宝石に仕立て上げる」という技術は、15世紀に確立されたのち、18世紀に「ブリリアントカット」が生み出されました。「ブリリアント」とはフランス語の「brillant」から来ている言葉で、「輝く」という意味です。


 人がダイヤモンドと出会って3000年ほど経っていますが、カットされて光り輝く姿になったのはまだ300年くらいの歴史しかありません。(それまでは「アンカット・ダイヤモンド」として愛でられていました)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る