メモリアルバースト


時は、ウィザーズ達が怪人へと戦いを挑む前に遡る。

フェインの感じたもう片方のフォールエンスの反応があった場所、天野川市の大型イベントステージ前には黒い鎧を纏った騎士レオ・モーデルの姿があった。そしてそんな騎士から隠れるように近くの物陰に隠れ体を震わせて怯える三人の少女達の姿もあった。


三人の少女達は『Light connectors』の青木 未来アオキ ミク宮本 朝陽ミヤモト アサヒ間崎 凛音カンザキ リオンであり、彼女達は今度イベントで踊るステージの下見に来た所、現れた瞬間に黒騎士ことレオ・モーデルが放った斬撃により抉れた地面を見てしまい、腰がぬけて動けなくなってしまったアサヒを庇いながらどうにか物陰に隠れたのである。


「何なんだよ、アイツ………」


「とにかく、今は隠れてやり過ごそう」


震える肩を抱くリオンに声を潜めたミクが提案しつつ、体を震わせ動けずに涙目になってしまっているアサヒの背中を擦る。一方で黒騎士のレオは静かにその場に佇んでいるだけだった。だが、その表情は狼ですら逃げ出すであろう程に怒っていた。

そんな様子を見てどうすれば良いのか分からず、二人を気に掛ける事しか出来ないミクは俯いた。ライブをするステージの下見に来た筈なのに、変な男が現れて突如として持っていた黒い剣を振るい何メートルも地面を抉った。周りの人たちは次々と逃げ、少女達に手を貸してくれるような人たちは居なかった。


どうすればいいの?助けは来るの?


そんな愚痴とも言える弱音を心の中で吐いた時だった、突如として肩を誰かに触られビクリと跳ねながら振り替えると、口元で指を立ててジェスチャーをするフードを被った見覚えのある顔の私達と同じくらいの年の黒いドレスの上から青いコートを羽織っている少女がいた。


















ノゾミさんのイベントへの護衛から数日、お母さんの家事の手伝いを終えた私は自分の部屋で課題をしていた時だった。メリアが敵の魔力を感知し、私は即座に家を出てセルリアンへ変身してメリアと共に魔力の反応があった場所へ瞬速を使って移動した。

今回、メリアが感知した魔力の反応は二つであり片方には恐らくウィザーズと思われる魔力の反応が向かっている事をメリアが教えてくれた。本当なら彼女達には戦って欲しくないけど、今回ばかりは仕方ない、そう思いながら私はウィザーズが向かった場所とは違う方へとメリアの案内でむかった。

天野川市の大型イベントステージ、呼吸をなるべく減らし気配を薄めながらイベントステージ前を覗く。そこには前に戦ったあの黒い鎧の騎士がたたずんでいるのが見えた。

よりによって、あの黒い鎧の騎士。前回の戦いで私の手数と騙し討ちの戦法が完全に知られている状態だ、前と同じように戦えば私の死は間違いないだろう。だがこっちだって何も対策してないでいた訳じゃない、を使えば私の勝率はかなり上がる。

きっとアイツを殺せるはずだ。

瞬速で奇襲をかける?いや、恐らく前と同じように避けられるか防がれる。ならあえて正面から向かっていきリュミエールを使ってあの剣を振るわせない近距離での格闘戦を仕掛けるべきか。

どう奇襲をかけるべきか考えながら周囲を観察していると近くの建物の影に髪の毛らしき物が見えた。黒い騎士に見付からないよう移動してさっきの場所を見れば、見覚えのある三人の少女が座り込んでいるのが見えた。

瞬速を使い彼女達の元に向かい逃げ遅れた三人、リオンさんにミクさんとアサヒさんの元に向かう。話しかけるのは不味いのでそっとミクさんの肩に手を置く。驚き勢い良く此方を見て驚きの表情を浮かべるミクさんに騒がないよう人差し指を立てて口元に当てる。

すると、ミクさんはゆっくりと頷いてくれた。触ったときに叫び声を上げられなくて良かった。もし上げられてたら彼女達を守りつつ戦わなければならなくなる、あの騎士との戦いでそれはかなり厳しいだろう。


「動ける?」


小声でそう聞くとミクさんは困った表情を浮かべる。横目で見る限り、リオンさんは体が震えていてアサヒさんに至っては腰が抜けている。ミクさんも震えてはいるが走るのに問題は無さそうだ。


「私が時間を稼ぐから、二人で彼女を運んで逃げれる?」


そう聞くとミクさんはリオンさんと目を合わせた後、少し不安そうに頷いた。


「絶対に貴方達を傷付けさせません、信じて」


そう安心させるように笑いかけ、私は身体強化をしてその場から瞬速で離れる。

彼女達には今のように夢を追いかけて、普通の少女として過ごしてほしい。彼女達の歌や踊りならなら、きっとミクさんの夢だと語っていた皆を笑顔にする事が出来ると思うから。

だからそんな彼女達をフォールエンスに傷付けられる訳にはいかない、私が……戦える力がある私が守らないといけない。


それが私の知る魔法少女であり、皆の夢と希望を守る者としての私のやるべきこと。


彼女達の逃げる姿が騎士にとって死角になるような位置へと移動し手元にエスペランサーを呼び寄せる。そして勢い良く踏み出して黒騎士へと接近しエスペランサーを振り上げ黒騎士へと迫りながら振り下ろす。即座に黒騎士は手に持った黒い剣を構えて私のエスペランサーを弾いた。弾かれたエスペランサーの重さを利用したサマーソルトで後ろへと下がり距離を取ってからエスペランサーの側面を盾のようにして構える。


「待っていたぞ、セルリアン。今回こそ貴様の命を貰い受ける、前回のような卑怯な手はもう通用しないと思う事だッ!」


そう言いながら怒った様子で此方を睨み付ける黒騎士、やはり騙し討ちの対策をされてるらしい。それにしても敵なのに卑怯な方法、騙し討ちを嫌うなんて珍しい。前の世界では敵の魔法少女は騙し討ちなんて当たり前、洗脳や傷付ける事を楽しんでいる人もいたし。本当にこの黒騎士は何処か変だ、を感じる。


「メリア、例のやつ……最初から行くよ」


今なら距離を取れているし、あの黒騎士を制圧するには今の私に出来る手はこれしかない。背後を滞空するメリアにそう呼び掛けると、何処か不安そうな表情を見せ口を開いた。


『ご主人様、本当にいいの?』


「お願い、メリア」


私を気にかけてくれているのか不安そうに私を見つめるメリアを真っ直ぐみて頷く。

私は、みんなの夢と希望を守る者。だから絶対に負けられないんだ。
















『私の変身したアイテムと妖精魔法を使う覚悟、ある?』


あの日、あの男に勝てず苦しそうな表情をするご主人様に私はそう話を切り出した。

元々私がすんでいた別の次元にある妖精達の暮らす島、スカイレイスに住む私達妖精は自身の姿をそれぞれ固有の形状のアイテムへと変身させる事が出来る。そして稀に自身の魔法と変身したアイテムを使える、使いこなす事が出来ると感じ認めた相手に忠誠を誓い、仕える風習がある。

私は、そんな周りの妖精達とは違うと言うことをケルビム様は話してくれた。

私の魔法は周りの妖精達とは違うのだ。

みんなは無から有を……現象を生み出す。炎をだしたり、水を流したり風を起こしたりといった様に。でも私は無から有を作り出すことが出来なかった。

私は糧を得てそれを燃料に魔法にする事で現象を呼び起こす妖精達にとって異端のもの。そして

私が変身するアイテムもそうだ、みんな剣や槍、弓や銃といった何かしらの武器に変身するのに、私が変身するのは手甲と呼ばれる武具ではない防具。

私は異端なのだと、嫌でもそう感じられた。

でも、そんな私にもご主人様が出来た。

私にとって大切で、妖精魔法の相性も良くて常人よりもたくさんの記憶をもっていて、料理が上手で何処か悲しい雰囲気を持つ人。

私は初めて、この人の役に立ちたいと思った。

敵の場所を関知するようなサポートじゃなくて、索敵以外の手助けもしたい。でも、私の妖精魔法は常人にはとても苦しくて、を生むとケルビム様は教えてくれた。

ケルビム様が教えてくれたこの魔法の代償。

それを私の口から説明すると、ご主人様は暫くの間考え込んで、やがてゆっくりと頷いた。


「メリア、貴方の力を貸して」





















『わかった、ご主人様……いくよ。トランスフォーメーションッ!』


メリアは覚悟した様子で頷くと私の方へ手を翳す、するとメリアの目の前に魔方陣が展開される。メリアは光輝きながら回る魔方陣の中へと飛び込む。するとメリアが飛び込んだ魔方陣の反対からは、白く小さな籠手のような物が現れ私へと飛んでくる。私は飛んできたそれを掴み取り左手の甲へと押し付ける、すると籠手からベルトが現れて籠手を私の左手へと固定するように密着させた。


『ーメモリアルボンド、エンゲージー』


メリアの声が聞こえた瞬間、ドクンと鼓動し白い小さな細ながい六角形の形状の籠手、メリアの変身した妖精アイテムであるメモリアルボンドにある真ん中の円へと向かう形で掘られた溝のようないくつもの線が輝き、発光し始める。

風が吹き、着ていたフードが脱げる。そしてセルリアンのフードから解放されたかのようにが風に靡く。

黒髪だったはずのセルリアンの髪は真っ白になっており毛先は灰色に近い物となっていた。セルリアンの着ていた青いロングコートが青からじわじわと白色へと変化していく。そして背中にはメリアの持つ機械で出来た翼が折り畳まれた状態で存在していた。

自身に起きた変化と左腕についたメモリアルボンドと私の中の何かが繋がった感覚に少し戸惑いながらも左手を握ったり離したりと少し繰り返して問題がないことを確認してエスペランサーを構える。


「今度こそ、終わらせるッ!」


その様子に黒騎士、レオ・モーデルは驚愕した様子で即座に持っていた黒い剣を構える。


「見た目が変わった所で、お前の剣では俺の剣には勝てないッ!」


私と黒騎士が同時に踏み込み私のエスペランサーと相手の黒い剣とぶつかり合い鍔迫り合いを始める……と相手は考えているのだろう。黒騎士と後散歩程でぶつかる所で私は背中の翼を展開させ宙へ飛ぶ。黒騎士の剣が空を切り私は黒騎士の背後に回って着地してすぐには横薙ぎにエスペランサーを振るう。黒騎士はそれを側転してエスペランサーの攻撃範囲から逃れる。


「なッ!?」


黒騎士の言う通り私の剣の腕では恐らく黒騎士には敵わないだろう。だが、剣でなければこっちの戦いにも分がある。メリアから説明されていた魔法とその魔法を使う際に私が払う代償については知っているし、覚悟も出来ている。

私は負けられないんだ。

あの人に、そしてこの世界で生きる魔法少女だったみんなやお世話になった人達がこの平和な世界で、普通の日々を過ごすためにもう一度誓ったんだ。

私は魔法少女として皆を、そして夢や希望を守る者になるって。


「行くよメリア」


私の呟きに答える様に左手の甲に装着されているメモリアルボンドがドクンと発光し私の手の先へと魔方陣が展開されメリアの持つ記憶を司る妖精魔法が効果を発動する。

思い浮かべる、風を纏って空を舞い蝶のように舞いながらビースト達を穿つ彼女の姿を。


記憶燃焼メモリアルバースト


メモリアルボンドの輝きが更に強くなり魔方陣が光り、次の瞬間私の両手にはエスペランサーとはまた違った重みのある何かが握られていた。


「力を貸してね……音羽オトハ


手にしていたのは、かつて私が助け共に戦う事となった少女の持っていたサブマシンガンのP90のような見た目の『魔銃ヘリオス』と『魔銃セレネス』だった。


風舞ふうまい!」


記憶をたどり彼女の使う魔法を発動する為の言葉を詠唱しながら再び地を蹴り、風を纒い舞うように空を駆けながら二丁の魔銃を黒騎士へと向けて引き金を引く。


「ヘリオス!セレネス!」


腕に銃を発射した反動が来るが、エスペランサーを持ち続けた事で強くなった握力でヘリオスとセレネスを相手へと固定し撃ち続ける。放たれた弾丸が黒騎士へと向かって跳ぶ、雨のように降り注ぐ銃弾達を黒騎士は剣で弾きながらその場から退避することで避ける。


「飛び道具など、近付きさえすればッ!」


地面へと着地したタイミングで黒騎士は私へと走り迫ってくる。私はヘリオスとセレネスを手放す、するとヘリオスとセレネスは光の粒子となって消えていった。


記憶燃焼メモリアルバースト


再び、左手の甲に装着されているメモリアルボンドがドクンと発光し私の手の先へと魔方陣が展開される。

思い浮かべる、影に潜り影で縛り死神のように手に持ったその大鎌でビーストの命を刈り取る姿。


「借りるね、結姫ユズキ


メモリアルボンドの輝きが更に強くなり魔方陣が光ると私の左手には見覚えのある黒い持ち手に刀身が紫色に発光する機械的な見た目の大鎌『バルバートス』が握られていた。

私はバルバートスを握り締めて自身の後ろに影が出来ていることを確認し即座に魔法を発動するため、左手の鎌を肩にかけ右手を床に触れさせながら詠唱を紡ぐ。


潜影せんえい


後ろへとバックステップを踏み着地した瞬間、私の足と地面が衝突する感覚はなく、まるで水のような感触の何かに受け止められ体が影へと沈んでいく。そして目の前に広がる影の世界は、いつも目にする風景が少し灰色がかっている物だった。そして見れば先ほどまで私のいた場所を黒騎士の剣が通りすぎたのが見えた。そして突如として消えたように見えるであろう黒騎士は周囲を見回しながら剣を構えている。


黒騎士から近くに3ヶ所程暗い影が出来ているのを確認した私は黒騎士の背後に出来た影から飛び出す。


「っ!?」


即座に振るわれた黒騎士の黒剣を両手で持ち、手と手の間の持ち手で受け止める瞬間に軽く地を蹴る。次の瞬間、バルバートスで受け止めた黒騎士の剣の衝撃と勢いを利用する形で黒騎士から距離を取り着地しながら左手に持っている大鎌バルバートスを回しながら持ち手の端にある石突きを地面へと突き刺し詠唱する。


影縫かげぬい!」


私が先程見つけた三ヶ所の影から勢い良く黒い鎖が飛び出し黒騎士へと向かう。即座に回避しようとその場から走り出した黒騎士だが影があるかぎり、影縫いから逃れられる事はない。


「邪魔だッ!」


黒騎士は手に持っていた剣で鎖を纏めて薙ぎ払うようにして弾く。


このタイミングならいけるッ!


黒騎士が鎖を弾いたタイミングで持ち手の柄を縦に伸ばしながらバルバートスを勢い良く横薙ぎに振るう。するとバルバートスの発光する刃が射出されブーメランのように回転し、紫色の軌跡を描きながら黒騎士へと向かう。ひし形の石突が上になるよう持ち変え槍のような武器となったバルバートスを持ち黒騎士へと走る。地面を強く蹴り上げて加速する、フードが空気の抵抗で脱げてしまったがウィザーズ達がいないので大丈夫だろう。

勢い良く黒騎士へと迫りながらバルバートスを突き出す。そして黒騎士が飛んできた刃の部分を弾いた瞬間、私のバルバートスが黒騎士の鎧を貫く事はなく、黒い鎧をかすり火花が散るだけだった。

ギリギリのところで避けられた……今の状態で攻撃されたら避けようがない。そう思った次の瞬間、黒騎士は私……正確には私の髪を見て突如として頭を抑えて膝を着いた。黒騎士の持っていた黒剣がカランカランと音を立てて地面を転がる。


?………ぐっ………あがっ!?」


まるで頭痛を耐えるように顔を歪め、頭を抑え出した黒騎士に戸惑いつつバックステップで下がりバルバートスの刃を回収してバルバートスに着けて構える。

騙し討ち?さっきまで殺し会っていた相手に心配されると本気で思っているのか?だけど戦ったあの黒騎士の性格から考えて騙し討ちは嫌っている筈だ。ならなんだ?あの男に何かしらのデメリットによる反動かイレギュラーな事態が起こっているのか?


「グッ、俺は……は一体何を──」


警戒しつつフードを被り直して男の様子を伺う、先程から何かを呟いているようだが、嘘かもしれない。いつ攻撃されても反撃できるようバルバートスを右手で握り締め、左手はいつでも影縫いが出来るよう構える。が、黒騎士は前回と同じように突如としてその場から姿を消した。

やはりあの黒騎士の様子に大きな違和感を感じる、彼は敵側にしては可笑しすぎるのだ。騙し討ちを嫌い、むやみに人を切ろうとしていない。人を切ろうとしていないのは、何よりこの場にいた筈の人達の物と思われるが見つからない、あの地面の抉れ方なら人を一人や二人は殺すことは簡単な筈だ。なのにあの黒騎士はそれをしようとしなかった。


『ご主人様、もう片方のも終わったみたい』


「ありがとう、メリア……帰ろっか」


思考を巡らせていると、メモリアルボンドから聞こえてきたメリアの声に意識を切り替える。取り敢えずこの場から離れた方が良い、そうしたらウィザーズと鉢合わせなくて済む。


そう思った私は即座にその場から離れたのであった。










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「マジカル!」 


「デジタル?」


「「クロニクル!魔法少女図鑑!!」」


「と言う訳で今回から、私天宮 音羽アマミヤ オトハ神島 結姫カミシマ ユズキで本編に登場していた私たち魔法少女について詳しく解説していくわ!」


「オトハ、張り切ってるね……」


「そりゃあそうよ、なんてったって久しぶりの出番なのよ?あ、このコーナーは本編とは違うメタい空間だから読者の皆さんは安心してね?ちなみに私はこの空間をメタフィールドと名付けたわ!」


「なんか、凄く聞き覚えがある気がするけど……取り敢えず、がんばろオトハ」


「えぇ、勿論よユズキ!さて、最初に紹介するのは勿論この人よ!」


────────────────────

【魔法少女名】魔法少女セルリアン


【変 身 者】佐久魔 空良サクマ ソラ


【 武 器 】大剣エスペランサー

       短剣リュミエール


【 魔 法 】身体強化

       瞬速

────────────────────


「私たちにとって一番の恩人で、魔法少女事件の最初の方から戦っていたらしいわ。二年間戦い続け魔法少女事件を終わらせた英雄と言われているわ!流石はソラさんよね!」


「ん、ソラには軍に所属した時にもお世話になった。ソラの魔法は火を出したり、氷をだしたりとか他の人のようにあまり強くないのに工夫して戦ってた。凄い」


「使用する魔法は、身体全体を一時的に強化する『身体強化』と少しの間、いつもより速く動くことの出来る『瞬速』ね」


「使う武器は青い刀身に水色の刃を持つ大剣、名前はエスペランサー。ソラ曰く大切な事を教えてくれた人が着けてくれた名前なんだって」


「ちなみに、青い刀身に金色に発光する刃を持つ短剣リュミエールも誰かに付けられた名前らしいわ。ちなみにソラさんの技である『エスペランサー・ルビア』は魔法じゃなくて、大剣を瞬速で振るう事で、空気中に摩擦熱が起こって発火した大剣で斬り付けるという物よ!」


「毎回みてて少し心配。あれ、結構危ないよね?」


「そうね、大剣が発火してるって事は大剣全体が熱を伝えていて熱くなっているはずだし、ソラさんが火傷してないか心配だわ。まぁ魔法少女だし数分で直るけどね」


「次は……『マジカル!気になる?クエスチョン!魔法少女アンケート10』?」


「このコーナーでは気になるあの魔法少女の趣味や好きな食べ物についての様々な10個の質問に回答して貰った表を見ていくコーナーよ!それじゃあ!早速表を見て行くわ!ソラさんの回答と質問はこちら!」


────────────────────


Q1.好きな食べ物は?

A.海老天うどん


Q2.好きな事は?

A.本を読むこと


Q3.貴方を漢字一言で表すのなら?

A.空?


Q4.もし無人島に1つだけ持っていけるなら?

A.リュミエー……サバイバルナイフ


Q5.好きな歌は?

A.Light Connectorsの歌、赤心先輩の歌


Q6.好きな言葉は?

A.魔法少女は皆の夢や希望を守る者


Q7.未来が見える能力と、人の心がわかる能力、どちらか一つ選べるならどちらが欲しいですか?

A.未来が見える能力


Q8.もし宝くじが当たったら?

A.貯金か、家族の為に使いたい


Q9.もし死んだ人にもう一度会えるなら?

A.私があの人の知る魔法少女として戦えたのか、聞きたいかな。


Q10.最近ちょっと恥ずかしいと思った時

A.女の子の前髪を許可なしで触ってしまった。


────────────────────


「な、なんか所々重いような……」


「ソラ、カタリストありで無人島いくつもり?」


「そ、それだと魔法少女のほとんどは無人島で活動できるわよ!?次からはカタリスト無しで聞くようにスタッフに伝えなきゃ」


「それにしても、最後の質問……変なの?」


「へ?当たり前じゃない!?普通、人の髪を触るなんて」


「だって、私いつもオトハに髪を……」


「それは私とオトハだからいいのよ!もう、それにしてもソラさんの好物はうどんだったのね。」


「うん」


「魔法少女事件のせいか、食料も少なかったし分からなかったわ」


「食べれるだけ、マシ………あ」


「ん?」


「ソラ、私が軍に入ったとき海老の天ぷらくれたのもしかして…」


「本当に、優しいわねソラさんは……それはそうとユズキ、天ぷらの話なんだけどもしかして海老の天ぷら食べたいからソラさんをずっと見てた?」


「……コクリ」


「後でお仕置きね」


「そんな……ユルシテ」


「今回の魔法少女図鑑はここまで!次回からはゲストを呼んだりして解説したいわね!誰を呼ぼうかしら……それじゃあ締めるわよユズキ?マジカル!」


「……デジタル」


「「クロニクル!」」


「魔法少女図鑑のコーナーでしたー!」


「……………この挨拶、毎回やるの?」


「勿論よ、ところでさっきの話だけど」


潜影せんえい、グッバイ」


「ちょっ!?影に潜るのはなしでしょ!?何処行ったの!まちなさいユズキー!」


「次回も、見てね?」


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