62日目 天狗に踏まれる



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺは、いつものように参拝者を階段の上から待っていた。


 そう。ぺぺは学習した。


 今まで、おじいちゃんに、杖に、巨体の男性に踏まれまくっていた。


 だから階段の上では、飛んで待つことにしたのだ。


 これなら踏まれることはないのだ。


 鳥居をくぐって階段を上ってくる参拝者を待っていると、


 バサバサバサバサ!


 何か聞こえたと思ったら、


 ブチ!


「あ! すまぬ。ぺぺ」


 天狗が空から降りてきて、ぺぺは下駄の底にあたり、


 そのまま地面に着地の時に踏まれたのだった。




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