53日目 小さな神様のお手伝い



 妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。


 妖精なので、ほとんどの人間には見えない。



 ぺぺが本殿に行くと、小さな神様が参拝者の願いを聞いていた。


 今日は神様がいないので、小さな神様が変わりに願いを聞いて、神様に1つ残らず伝えているという。


「小さな神様大変だから、ぺぺが手伝ってあげる」


「おお、そうか。ならよろしく頼む」


 ぺぺは小さな神様の隣りに座ると、願い事をきいた。


 そして、ぺぺは龍さんに神様に伝えてもらうようにお願いした。


「あのね、女の人が、痩せて男の人と合格して脂肪吸引できますようにだって」


「は?」


 小さな神様が、声を上げる。


「あと、おじさんが、早く胡椒をかけておいしくなり、運命がうまくぐるぐる回るようにだって」


 はたまた小さな神様が、


「はー! なんだって?」


 と声をあげる。


 すると、龍神さんは、「分かった」と言って飛んで行った。


「え? あれで分かったのか?」


 小さな神様は、ぽかんと口をあける。



 【謝り】「あのね、女の人が、痩せて男の人と合格して脂肪吸引できますようにだって」


 【正解】「女性の願いは、頑張って好きなお菓子を我慢するから志望校に合格できますように」



 【謝り】「おじさんが、早く胡椒をかけておいしくなり、運命がうまくぐるぐる回るようにだって」


 【正解】「男性が、早く交渉がうまくいって、運営が起動にのりますように」



 小さな神様は、2度とぺぺには頼まないと誓ったのだった。


 ちなみに、龍神さんは、ちゃんと願いを聞いていたのでぺぺの言ったことを神様に伝えることはなかった。


 小さな神様は、そのことを知るのはだいぶん後のことだったのでした。



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