別日③ 祝福
妖精ぺぺは、ある山の上にある小さな神社に住んでいる。
妖精なので、ほとんどの人間には見えない。
小さいころからよく参拝にくる女の子がいた。
七五三 、厄年払い、お祭り等必ず来る女の子だ。
受験の時は、合格祈願にも来ていた。
そんな女の子もだんだんと大きくなり、女性になっていった。
悩み事がある時も必ず神社に来て話していた。
ぺぺは一緒になって泣いたこともあった。
そんなある日、女性は男性を連れて一緒に参拝に来た。
「今度結婚します。そのため地方に引っ越すことになりました。今までありがとうございました。また実家に帰ってきたら来ますね」
神様も嬉しそうにうんうんと聞いていた。ぺぺもとても喜んだ。
「おめでとう。おめでとう」
何回も祝福したが、彼女には伝わらない。
それでもよかった。
そしたら、神様がニコッと笑って、ぺぺに言った。
「見ていなさい」と。
すると風が吹いた。
その風で境内の近くにあったエゴノキの花びらが境内に振り注いだ。
自然のフラワーシャワーだ。
女性は、手を広げ嬉しそうに喜んだ。
「神様からのお祝いだ。ありがとうございます」
ぺぺは花びらと一緒に彼女の周りをくるくる回って祝福するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます