大文字伝子が行く120

クライングフリーマン

大文字伝子が行く120

 ====== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。

 大文字学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。

 一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を 「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」と呼ばれている。

 久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。

 愛宕(白藤)みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。

 物部一朗太・・・伝子の大学翻訳部同輩。当時、副部長。

 依田俊介・・・伝子の翻訳部後輩。元は宅配便配達員だったが、今はホテル支配人になっている。

 福本英二・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。大学は中退して演劇の道に進むが、今は建設会社非正規社員。演劇は趣味として続けている。

 福本祥子・・・福本の妻。昔、福本と同じ劇団にいた。福本の劇団の看板女優。

 みゆき出版社編集長山村・・・伝子と高遠が原稿を収めている、出版社の編集長。

 藤井康子・・・伝子マンションの隣に住む。料理教室経営者。

 森淳子・・・依田や南原蘭が済んでいたアパートの大家さん。

 大文字綾子・・・伝子の母。ずっと、犬猿の仲だったが、仲直り?した。だが、伝子には相変わらず「くそババア」と呼ばれている。

 副島はるか・・・伝子の小学校の書道部の先輩。彼女の父が書道部顧問。EITO準隊員。書道だけでなく、剣道も2段。

 金森和子二曹・・・空自からのEITO出向。

 増田はるか三等海尉・・・海自からのEITO出向。

 馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。

 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。

 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。

 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。

 新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。

 結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。

 日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。

 伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。

 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。

 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。

 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。

 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。

 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。

 夏目警視正・・・警視庁副総監の直属。斉藤理事官(司令官)の代理。

なる。EITO準隊員。

 愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。みちるの夫。

 青木新一・・・伝子にとって、最初の事件で出逢った高校生。Linenのグループを2つ持っていて、行方不明者や不審者の捜索に協力して貰うこともある、情報通。

 草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。

 青山たかし・・・EITO準隊員。エレガントボーイ。

 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。伝子と一時付き合っていた。警視庁副総監直属の警部。今はEITO出向。エレガントボーイとして、ホバーバイクに乗る時もある。

 天童晃・・・EITO準隊員。EITO剣道顧問。

 南部(江角)総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。

 大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。

 足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。

 河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。

 小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 和光あゆみ・・・元レディース・ブラック7のメンバー。EITO参加予定

 中込みゆき・・・元レディース・ブラック7のメンバー。EITO参加予定。

 海老名真子・・・元レディース・ブラック7のメンバー。EITO参加予定。

 来栖ジュン・・・元レディース・ブラック7の総長。

 愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。通信担当。

 白井紀子・・・EITO大阪支部メンバー。資材・事務担当。

 芦屋一美(ひとみ)警部・・・三つ子の芦屋三姉妹長女。大阪府警からの出向。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。

 芦屋二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。

 芦屋三美(みつみ)・・・芦屋財閥総帥。総合商社芦屋会長。EITO大阪支部のスポンサー。総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。

 南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。

 横山鞭撻警部補・・・大阪府警の刑事。

 幸田所員・・・南部興信所所員。総子のことを「お嬢」と呼ぶ。

 花菱所員・・・元大阪阿倍野署の刑事。今は南部興信所所員。

 小柳警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。

 真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。


 市橋早苗総理・・・移民党総理総裁。

 吉本博文・・・大阪府知事

 御池花子・・・東京都知事。総理に不満と嫉妬を抱いている



 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO精鋭部隊である。==


 午前10時。EITO東京本部。会議室。

 「いきなり会議に入るより、先に諸君に紹介だな。まずは、伊知地満子二曹。空自からの出向。葉月玲奈二曹。海自から出向。越後網子二曹。陸自からの出向。高木貢一曹。陸自からの出向。小坂雅巡査。元高速エリア署勤務。下條梅子巡査・・・元高島署勤務。以上だ。」

 「理事官。元、勤務っていうことは・・・。」と、あつこが尋ねた。

 「小坂と下條は転籍。詰まるところ、再就職だ。警視達と違い、EITOに常勤。伊地知はブーメランの経験があるそうだ。」と、理事官が言うと、「そりゃいい。金森、面倒見てやれ。」と伝子が言った。

 「高木は剣道が得意だそうだ。天童顧問に早い内に実力を確認して貰おう。それでは、本題だ。今朝New tubeに、これがアップロードされた。」

理事官の合図に、草薙が画面を切り替えると、New tubeの画像が流れた。画面に映っているのは、前回同様アバターのようだ。アバターとは、元の人間の画像を予め作られたCG画像に置き換えられた画像だ。

 《

 やあ、お待たせー。もう覚えてくれたかな?僕はブラックスニーカーだよ。『おやつ』の時間を『退屈』にしたらNGだよね。じゃあ、検討を祈る。

 》


 「私、こいつきらーい。」と、思わず言ってしまったのは、あかりではなく、新人の下條だった。あつこが注意をしようとしたら、あかりが言った。

 「心の声を出すな、下條。ここをどこだと思っている。」下條は項垂れた。

 「まあ、好きになれるタイプの物言いではないな。草薙、画像の表情も元のままか?」と、理事官が助け船を出した。

 「いえ。元の画像は関係ないです。まあ、ボイスチェンジャーの画像版みたいなものですが、案外元の表情はふざけてないかも知れませんね。」と、草薙は言った。

「簡単過ぎるなあ。このヒント。」と、伝子は言った。

 「おねえさま、罠でしょうか?」と、なぎさが尋ねた。

 「実行場所は、東京と大阪って言ってましたよね。で、決行時間は午後3時。狙われるのは靴屋さん?」と、あつこが言った。

 「草薙。調べてみろ。」「了解しました。」

 草薙は作戦室に帰って行った。

 「大文字君。もし特定出来たら・・。」「勿論、警護に向かいます・・・向かわせます。問題は、このヒントは陽動じゃないかということです。大阪で護送車が襲われた件も、大西が轢き逃げされた件も、突然結果が出ました。ヤクザ2組を潰したのも、闇頭巾とは思えないし。偽佐々木は、強引で乱暴な面があります。だから、本命を突き止めないといけないが、手掛かりがない。取り敢えず、改めて、政府要人は身の回りに気を付けるよう根回しして貰います。第二の大西のような犠牲者が出るかも知れない、と。」

 「了解した。夏目君、高木君の養成は?」「青木君が適切でしょう。」

草薙が作戦室から帰って来た。

 「シューキング大田の東京本店と大阪支店で創業祭が明後日から始まります。それぞれ、選挙の前宣伝の為か、知事が来店、挨拶します。午後3時の予定です。」

「よし。本命が何かは分からないが、余裕を残した上で、陽動の方の対処をしよう。夏目君。大前君にも連絡を。」

 「了解しました。本部と支部で同時進行作戦ですね。」と、夏目は頷いた。

翌日。午後2時。

 New tubeに新しい動画がアップロードされた。

 《

  やあ、みんな。1日待って、退屈した?明日はお仕事するから、退屈しないよ。

 多少遅刻してもいいよ。みんなが来るまで待ってるから。ゴメンね、国会揉めるような時期に、すぐ終るからさ。どんなお仕事かって?日本人は臨機応変の、ああ、アドリブの効く仕事するらしいね。じゃね。

 》

 更に翌日。午後2時。銀座。シューキング大田の東京本店。店長室。

 御池東京都知事が店長に怒鳴っていた。

 「何で私が、こんなシューズを履かなきゃならないのよ。」「都知事。当社は、タイの靴会社と提携しておりまして、今回、創業祭の目玉として、タイシューズを販売致します。都知事には、デモンストレーションで履いて頂き、東京都と、タイの姉妹都市関係の樹立を提言致したいのです。『美しい』都知事が履いて下さることで、経済効果抜群です。」

 本店店長の言葉に、「まあ、そういうことなら・・・タイの大使は来られないの?」と御池は尋ねた。

 「生憎、今日は。後日ゆっくりお会いしたいので、いずれ連絡する、と伺っております。」「そう。後日ね。今日は、社長と懇意だからお祝いに来た、ついでに統一地方選挙の候補者の宣伝をする、という筋書きでいいのね?」「流石です、完璧です、都知事。」

 都知事は、出されたコーヒーを飲んで、店長と談笑していたが、薬を取り出した。

「水を持って来ましょう。」と、店長は席を外した。代わりに入って来たのは、エマージェンシーガールだった。

 同日。午後2時。大阪、大国町。シューキング大田の大阪支店。創業祭会場。

 「ちょっと、早く来すぎたかなあ。変わった靴ですね。これがタイシューズですか。」

 吉本知事に、支店長は応えた。「はい。履き心地はいかがですか?」

 「まあ、悪くないかな。公務ではちょっとは履き辛いから、プライベートで履きますわ。」と、吉本知事は言った。

 「知事がお履きになったシューズ以外にも、『LBGT』向きタイシューズも取り揃えています。今回の、もう一つの目玉です。それと、今回、このフェアが狙われているそうです。」

 「何です、いきなり。」「私が言うんだから、間違いない。」と、支店長は拳銃を出して、笑った。「ちょっと、移動して貰うよ。」

 支店長が、部屋から吉本知事を連れ出した時、知事の秘書が妙な顔でやって来た。

 「知事。こちらのごきょうだいが、知事にサインをしてくれとおっしゃって・・・。」

 「知事。後で『サイン会』を設けましょう。」「そうですね。それだと混乱がなくていいかな。」

 「知事―。私、ファンなんです。市長になった時も、1票入れたんですよ。今度も是非再選を・・・。」横から「妹は、言い出したら聞かないもんでねえ。ちょっと、一筆お願い出来ませんか?」と、言う男がいた。

 「僕はいいけど・・・。」と言いかける知事に、支店長は、「では、イベントまで時間があるので、本部の控え室に移動しましょう。」

外に出ると、リムジンが止まっていて、5人は揃って乗り込んだ。

 同日。午後2時。晴海埠頭。スーパーカーフェスティバル会場。

 マセラティで乗り付けた、タレントの泉雅也が降り、控え室に入ってきた。

 後輩の瀬名が、椅子に拘束されていた。「これは、どういう?」と首を傾げた泉だったが、首に拳銃を突きつけられたことで、状況を理解した。

「鍵を寄越せ。」と、男は言った。男は泉からマセラティの鍵を受け取ると、もう一人の男と出て行った。

 陰から現れた、エマージェンシーガールズ姿の馬越がDDバッジを押した。DDバッジとは、EITOの緊急連絡用のバッジだ。

 瀬名のロープを解いた馬越が泉と瀬名と共に出てくると、メルセデスAMGが現れた。エマージェンシーガールズ姿の大町と工藤が現れると、サングラスをかけた芦屋三美が言った。

 「乗って。泉さん。マセラティは必ず奪い返します。」大町と工藤は後部座席に乗った。

 三美はすぐにメルセデスAMGを発車させた。

 「瀬名君。僕はいい知り合いがいるねえ。じゃあ、後は任せて、ミルクティーでも飲んで、イベントまで待機するか。」泉は、暢気な調子で言った。

 馬越は、「私も待機致します。」と言って、どこかへ消えた。

 同日。午後2時。武智大臣の家。リビング。

 テラスから、いきなり、覆面男が数人現れた。

 そこに、エマージェンシーガールズ姿のあかりが現れた。「呼んだ?」

 あかりは、シューターを連続して放った。男達は、足下に刺さった、痺れ薬の為に体が思うように動かない。

 シューターとは、EITOが開発した、うろこ形の手裏剣だが、その先端には痺れ薬が塗ってある。

 続けて、あかりは、こしょう弾を男達に投げた。こしょう弾とは、胡椒等の調味料を丸薬にしたもので、投げると拡散して、粉末は鼻孔を刺激し、武器を持っていても集中力を無くし、使いづらくなる。

 留めに、あかりは、バトルスティックで、男達の手首を打ち据え、腹を打った。

 バトルスティックは、伸縮出来る、チタン製の棒で、この棒の先にも痺れ薬が塗ってある。

 あかりが、DDバッジを押すと、橋爪警部補と一緒に、後輩の小坂、下條を含む警官隊が現れ、逮捕連行した。

 橋爪は、大臣にこう言った。「秘書の方は保護しました。大臣もSPを着ける事をお勧めします。」

 ===== (大文字伝子が行く121へ)=====

 ―完―

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大文字伝子が行く120 クライングフリーマン @dansan01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ