異世界でも謎を解きたい

かおり

第1話 ここに来ても謎を解きたい欲がおさまらない件について。

 ◆◆◆東雲みく、職業 探偵◆◆◆


 事件に巻き込まれて命を落としてしまった。

わずか25歳にして、これからたくさんの難事件を解決して行くという輝かしい未来があったはずなのに。

 私を殺したのは一体誰なのか。

その謎を解くことは、自分自身では出来ないと悟った。


 "悔しい"


 その一言に尽きる。


だから来世では探偵なんて・・・。


➖➖➖


 目が覚めると森の中で私は寝ていた。


 「私は・・・。死んだからここは天国かぁ」


 頭がボーッとしていてまだイマイチ状況の把握が出来ていない。


 数分後


「ここどこーー?(大声)」


 と、我に帰った。そう死んだはずの私がここに寝ていた。

そしてどうやら何かに巻き込まれそうな予感。

周りには数匹の猿がこっちをみて何かを狙ってる。


 私はやられるっ!とっさの判断。

今置かれてる状況を整理すると。

・猿は人間は食べない。

・常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息している

・主に果実を食べる、植物の葉、花、種子、キノコ、卵、昆虫を食べる事もしばし。


 そして威嚇するような闘争心。

この状況はつまり・・・

猿の住処であるということが明確に浮かんでくる。


 次に私がする事は。

猿は自分より強い猿が現れた時には、歯を剥き出して笑ったような表情をし、相手に“自分は弱くて敵意がないです”ということをしめす。


 なので私今から猿のボスやるしかなーい!


 ゔぉおおおお!

 筋肉ムキって!

 胸をドンドン!


 足をお相撲さんみたいにドスコイ!

 

 ドン! ドン!


 ついでに手も叩いておくか・・・

完全にお相撲さん、まぁいっか!



 すると猿たちは、歯を剥き出して笑っている?と、言い難いがおそらく強いと思いその場を後にしていった。


 にしても、ここが猿の住処でだったとは早めに出ていってあげないと可哀想よね。


 "お借りしましたお猿さん達"


 そして私は行くところのないまま森の中を歩く事になったのだ。


 森を歩いていると1人の少女に出会った。


 「おねぇちゃん助けて!」

そう言って私の元に走ってきたのだ。


 「どうしたの?何かに追われてるの?」


 「私、私、私、」

今にも泣きそうだ。

「私、追われてるの弟を殺したと思われているの、それで、それでそれでね。」

 

 女の子はその場で泣き崩れた。


 つまり弟を見捨てたんじゃなくて連れ去られたのね。状況的には大量の血があって、そこには姿が無い。魔法を使って弟を隠している。と思われている。

そういう事だね。


 探偵の血がうずく。うずきすぎて、今までに感じた事のない熱が私をみなぎった。

私の手はキラキラと光っていた。


「おねぇちゃん魔法使いなの?」


「えっ?魔法?」


 脳によぎった。もしかしてここは異世界と呼ばれるとこに私は来てしまったのか?

いや魔法・・・と言われても私、なんも分からないし。と思いながらも言葉が先に出てしまった。


「この謎、私が貰った!私がスッキリさせてあげるわ!」


 そう言い放ってしまった。







 

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