第2話「男手…?」


「今日は洗濯日和だね」

雲ひとつない快晴に喜ぶ小豆あずさ


「2人分の洗濯物って随分な量あるんだね」

洗濯日和な天候よりも2人分の洗濯物の量に驚く大豆とも子


「もと子ちゃん、驚いてないで洗濯物干すの手伝ってよ」

「でも、うちのベランダじゃこの量干しきれないよ」

「…そう言われたらそうだね。どうしようかな。」

「コインランドリー行く?行っちゃいますか?あずきさん?」

「うーむ…。月一の楽ちんをここで使っちゃうのは勿体無い気がする…」


もと子とあずきは家事で楽することを「月一の楽ちん」と呼んでいたりする。

例えるならば、仕事の残業でお互い空腹と疲労の時には外食する、などといったことが「月一の楽ちん」だったりする。

2人のお腹が鳴った。


「もうすぐお昼だよ?ついでに大笑軒にも行こうよ!」

「うーっ…。空腹には敵わない。使いましょう、月一の楽ちん。」

「食べましょう。大笑軒で。」


すると、唐突に玄関のチャイムが鳴った。


「誰だろう?はーい!」


あずきが玄関のドアを開けると大家が立っていた。


「大家さん!どうかしました?」

「大豆さん、洗濯物飛ばされてたわよ?」

「え?洗濯物干してたはずなんですけど…」

「あーっ!」

「どしたの!?」


もと子が大声を出してベランダの下を見ている。

あずきも下を見ると2人の洗濯物がアパートの門、大家の自宅の玄関前などに引っかかっている。


「あちゃー…。これは最初からやり直し…」

「コインランドリーどころじゃないね」


2人は外を見下ろしながらガックリとしている。

それを見た大家が。


「2人ともウチでやり直せば良いじゃない」

「え?いや、そんな悪いですよ」

「そうですよ。大家さんも忙しいだろうし。」

「良いのよ。うちには男手があるし。さ、行きましょ。ね?」


「男手…?」と2人は不思議に思ったが、大家に頼ることにした。

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フリータイム 花福秋 @hanafukuaki

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