第20話

その時が来るのを 待ちながら 

何もすることが できないまま

僕は 光を閉じ込めている

繋いだ手は すぐに力が抜けてしまう

行ったり来たりは もう飽きたのに


外に出たって 何も言えない

目を閉じれば 言葉が溢れる

理不尽な怒りと 消えない痛みばかり 覚えてるくせに

あなたの顔は 忘れてしまいそうだ


もう やめてくれ

投げ出した声は 届かない

私がどうなったって

世界はなんにも 変わりゃしない


必死に生み出した 僕の声

それさえもう つかえて出ない

私のことを 忘れないで

一人は本当は嫌なんて 言えやしない

全ては雑音に 搔き消されてゆく

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