彼の甘い指先
桜華
プロローグ
隣のお兄ちゃんは、私が小学生の時に引っ越してきた。歳の差は6個上。小学校に入ったばかりの私には、中学生の彼はとても大人びていた。
私の初恋は、そのお兄ちゃんだったけど、彼は3つ年上のお姉ちゃんに片想いをしていて、一瞬で砕けっちったと思われるが、お兄ちゃんも片想い!まだ、自分にも脈はあると思っていた。とはいえ、歳の差は6個。そんな離れた私は可愛い妹として、可愛がられるだけだった。
お兄ちゃんが越してきて、1年が経った時、私の初恋は散った…。高2のお姉ちゃんと付き合いだしたのだ。お姉ちゃんは、顔さえ良ければ、誰でもいいという、結構、恋愛は雑なタイプ。中2になったお兄ちゃんは1年という月日で背が伸びて、声変わりもして、とてもイケメンになった。最初は「3つもした」と断ってたお姉ちゃんだが、彼の変わりっぷりに驚き、付き合う事になった。私とは9つも違うお姉ちゃんは、とても大人っぽくて、私には自慢の姉だった。だから、自分の初恋より、お姉ちゃんが幸せになれば、それで自分も幸せになった気がしたから、2人の付き合いを邪魔しようとは思わなかった…。
失恋した私は、まだ子供で次の恋をしようなんて思わなかったから、普通の小学生を6年間過ごして、卒業した。幸せそうなお姉ちゃん達の傍にいながら…。
少し心細さを感じながらも…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます