第5話 私を守護するもの

私は何度も助けられてきた


気づきもせず

ごめんね

気づいていたけど

気づかないふりをしたのかも


そっと箱の蓋を閉じるように

フッとロウソクの火を消すように


見えかけたこと

聴こえかけたことを

遠ざけ続けた


あなたの偉大さが

底知れぬ強さが

恐かったんだと思う


私が深い闇に落ちそうなとき

必ず助けてくれていたのに


その偉大で強大な力に

私は怯えていた


あなたは


龍になり

鳳凰になり

天使になり

宇宙になり

神になり

「わたし」になって


優しく守ってくれた


それなのに

感謝の言葉もかけずに

無いものばかりに

目を向けていた


ごめんね


ありがとう

ありがとう

ありがとう

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