詩 明けぬ空の黒夜城

仲仁へび(旧:離久)

詩 明けぬ空の黒夜城



 その世界はずっと夜のまま。


 朝日がやってこないまま。


 けれど人々は、それでいいと思っていた。


 むしろ、朝日を悪いものと考えていた。


――まぶしさは、人を惨めにする。


 人々は、そう結論づけていた。





 けれど


「全ての人がそう思っているわけじゃない」


 彼等は違った





 空 変わらず 人 変わらず


 ただ 時だけが漠然と流れていく


 過ぎゆくものは 嫌われるだけ


 変わりゆくものは 疎まれるだけ


 排斥されて 隅に追い立てられた


 陽の恩恵求める者達


 過去の文献読み 想いを馳せる


 当たり前の光景 今ここにはない


 ないからこそ 求めるのだと


 封じられた声は 闇に消えない


 奇跡 求めて 希望 見出し


 世界をかけずりまわる


 いつか 見られる日がくると


 目にまぶしい 降り注ぐかがやきを


「僕達で、陽のある世界を手にしたい」





 世界の中心にある黒い城。


 それは、朝日を拒み続けるための魔法。


 人々はその城に、毎日祈りを捧げ続ける。


 この顔、この体の醜さがどうか、いつまでも闇に隠せますように。





 いつか だれかが 答えを出した


「私達は醜い生き物だから。闇の中で過ごすべきなのよ」


 それは永遠に 変わらないもの?




 遙か天空から飛来した者達が、昔に言った言葉がある。


――この星の者達は、なんて醜いんだろう。


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