第2話:戦闘!シクド戦

 依頼場所への移動方法は例外はあるものの、大抵は組織が所有する転移装置を使う。今回の場所はグールジ州にあるハムナル町という場所。どうやらシクドの仕業と思われる(単なる愉快犯による殺人の可能性もある)痕跡が見つかったらしい。


 「…ローゼズさんおっせぇな〜。そんなに見分けがつかねぇのかぁ?」

 「お前なぁ…少しは大人しくしろよなぁ?自分の力を過信しすぎるっつうのは良くないぜ。」

 「うっせぇフランツ。テメェはさっさとコンタクトに変えなおチビさん。」

 「かっ…テメェなぁ…」


 ザッザッザッ…


 「お、やっときた…な…」


 ザッ…ザッザ…ザザ…


 「ろ、ローゼズさん…な、なの…」


 「だ、だず…げ……」


 ガブッ…


 バタ…


 「う、うわァァァァァ!!!!」

 「………」

 フランツは絶句しているようだ。そりゃそうだよな、目の前で仲間が死んだんだからな。











 「ぷっ…クハハハハハハァ!!!!」

 「「…は?」」

 「や、やだなぁ君たち!冗談だよ!ヘハハハハ!いやぁ、買ってよかったよこれ!ハハハハハァ!!」

 「あ、アンタなぁ……」

 「あ、アンタがそんな悪趣味なことをするなんて…信じらんねぇぜ、マジでやめてくれ、心臓にわりぃ…」

 「わ、悪い悪い!ププッ…じゃ、じゃあ…結果についてヒヒッ…だけど…やっぱり、シクドの仕業だったよ。」


 やっぱか、(この人は何時まで笑ってんだよ…)この辺りは最近、シクドの被害が酷かったんだ。


 「能力の特定は?」

 「ん〜…今のところまだわかんないかなぁ…複数人による犯行ってのも考えられるっちゃ考えられるんだよねぇ…」

 「う〜ん…時刻の特定は?」

 「遠いわけじゃないから、まだ近くにいる。」


 ギャアアァァァァァァ!!!!!!


 近くから、甲高い悲鳴が聞こえた。


 「やばっ!」

 「急げ!」


 ザッザッザッザッ!


 ガシュッ…ガシュッ…ガシュッ…


 「いたぞ!」


 目の前には一人の女性の遺体と四人の男がいた。


 『き、来ちまったか…』


 女性は既にバラバラになって死んでいた。


 「さっきと同じ殺され方、やはり複数だったか…」

 「さっさとやっちまいますかぁ?」

 「思う存分、やっちまおう。」


 ジュバ!


 『へ!話してるすきに!』


 ガシュ!


 「うおっと!」


 キィィィーーーン…!!!


 『チッ!受けたか!能力からみて…テメェは硬質化だなぁ?』


 「当たり。でも、大当たりじゃあないなぁ?」


 『こ、こりゃ…』


 ガチッカチカチ…


 「見たところ、君の能力は自身を液状に変える能力。普通に強い能力だがぁ…相手が悪かったな。」


 『お、俺の腕まで…』


 「俺の能力は確かに硬質化だ。でもな、自身が触れている物も同時に硬質化する能力。俺のいる地面も、同様に硬質化しているだろ?」


 『てめぇ!』


 「そして、お前は俺に触れた状態で硬質化した。つまり、俺とお前の腕は現在‘同じ’なんだよ。言ってる意味わかる?そして、現在進行形で、お前の腕以外も硬質化しつつある。」


 ガキッ…ガキガキッ…


 『う、うわぁぁぁ!!!や、やめろ!離せぇぇ!!!』


 パキッ!


 『え?』


 ドサッ…


 『う、ウギャァァァァ!!!???』


 「あ〜あ〜無理に離れようとするから…」


 『まずい!ミファがやられた!俺らも行くぞ!』


 ザザザザザッ!!


 「おいフランツ!遊んでねぇでさっさと始末しろ!」

 「へいへい。んじゃ!」


 ガシッ!


 フランツはミファとかいうやつの頭を掴み、硬質化を使う


 『う、うがぁ…がが…』


 ガキッガキッ


 「お疲れさん!!」


 バキィィン!!!!


 地面に勢いよく叩きつけた。しかし完全に中まで硬質化していなかったらしく。


 べちゃべちゃっ!


 中の脳みそとか血管とかが飛び散る。


 「う、うげぇぇ…最悪だぜちくしょー…」


 『うおおぉぉ!!ミファの仇ぃぃ!!!』


 一人がフランツに飛びかかる。


 が、


 ガシッ!


 「行かせねぇよぉ!?」


 ゴォッ!


 地面に叩きつける。が、鈍い音は鳴らず。


 バシャァァン!!!


 大きな水の音が鳴る。


 『ご、ごぼぼ…(じ、地面が!?)』


 そいつは地面の中で藻掻いている


 「地下世界ってのがさ、この世界にあるんじゃないかっていう噂があるらしいんだ。んでそこには、大昔の生物が今でも住んでて、地底人と一緒に暮らしてるらしい。それに、海のもっともぅっと下にはもう一つの海があるらしい。俺はいつか、そこに行くのが夢なんだ。」


 『ごぼっ、ごぼぼぼっ!!(早く!早く上がらなければ!)』


 ぐぐぐ…


 (な、なんだ?何かが…)


 「んでさ、俺はいつか、あいつに会いてぇんだよ。そう。」


 メガロドンにさ。


 『ん!んんんんんん!!!!!』


 ががががが!!!


 『ババババババァァ!!!!!』


 「バクンッ!!」


 『が……』


 バタッ…


 ブクブクと泡を吹き倒れ込む。


 「…ま、全部嘘だけどな。」


 『な、何だあいつ!た、ただ話してただけなのに!シドの野郎、死にやがったぞ!?』


 『そ、ソラ!前!前!』


 『は?』


 「余所見は良くないよぉ!ソ〜ラ〜君!」


 バザァァ!!


 『な、なんだこれはぁぁ!?』


 『た、滝か!?こりゃあ滝だ!ソラの上に滝があるぞ!』


 「滝と言えばぁ!!!お決まりのぉ!あれ!」


 ゴゴゴゴゴゴゴ…


 『う、うわあぁあぁぁあ!!!!?』


 『りゅ、流木だ!逃げろ!ソラ!』


 『む、無理だ!水流のせいで!全然進めな、』


 ごぉぉん!!!!!!!!!


 鈍い音がなる。同時に、首が折れるような音も聞こえた気がした。


 バタッ…


 「あらら、いったそ。」


 『てめぇら!人間じゃねぇ!』


 「君だって同類だ。」


 『こんなことして!許されると思ってんのか?』


 「同じことをした。そして、また同じことをする。」


 『う、うわあああああ!!!』


 彼は、立ち向かうでも逃げるでもなく。自殺を選ぼうとした。そう、選ぼうとした、だ。


 ブシュッ……


 バタッ…


 頭が潰され、倒れた。強く、指で押しつぶすようにして死んだ。


 「…やられた。」

 「またですか、ローゼズさん。」

 「そうだね。本当、アイツはどうしたって情報をくれやしないんだ。」

 「チッ、何時になってもそうだなあのクソッタレは。」


 ガガッ…ガガガ…


 「とにかく。一旦帰ろう。」

 「そっすね。早く飯も食いたいし。」

 「掃除屋呼んどくは。」


 ガガガッ!


 「んだよ、まだいやがったか!?」

 「どっちにしろ、1対3だ、負けるはずない。」





 「いや、普通に迎えの奴だけど…」

 ・

 ・

 ・

 ・

 「「…あ」」

 「はぁ…いい加減覚えてよ。」

 「す、すいません…」

 「ま、紛らわしぃんだよ畜生!」


 続く…


良ければ評価の程宜しくお願いします!

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