240720
【2024年7月20日】
「まだ寝ているの?」
試験が終わった解放感からだろうか、午前中に起きてパジャマから部屋着に着替えたもののずうっとベッドの上に転がって動画やゲーム、時々仮眠を行いながらそれなりに贅沢な休息を楽しんでいた俺に対し、藍とデートにでも行って来たのかおしゃれを決め込んでいた千花は憐れむように俺を見つめていた。
「横になっているだけだ」
「それを寝ているというのではないかしら?」
「……それは、まあ、そうかもしれないな」
時刻は午後2時を過ぎていた。こうなってしまうと今日はもう完全休養日としてしまいたかった俺は千花を下手に怒らせて余計な体力を浪費しないようにした。
「外は晴れ渡っていて気持ちが良いわよ」
「その情報、午前中に欲しかったよ」
「……お土産にアイス買って来たから冷凍庫に入れてあるわ。気が向いたら食べて」
「サンキュー」
一切起きあがろうとしない俺を見て動く気はないと判断したらしい千花はフッと息を吐くように笑いながら部屋を出て行った。
「アイスか……」
動いていないからか、食欲もあまり湧いてはこないので本日最初で最後の食事はそれでも良いかもしれないなあんて考えながら俺は再び夢の中へ堕ちていくことにした。
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