240712

【2024年7月12日】



「お泊まりなんて久しぶりだね」


 パジャマに着替え、試験対策用にと配布されたプリントに取り組んでいた藍は嬉しそうに微笑みながらそう告げた。


「そんなことを言いながら少し寂しそうにしているのは何故かしら?」


「なんて言うか、ジュンジュンだけ仲間外れにしちゃって悪いかなぁって」


「別にいつもの事でしょう」


 小学校低学年くらいまでは楯も一緒に誰かしらの家でお泊りをしていたけれど、互いに異性を意識するようになってからはその機会はほとんど無くなっていた。


「それに楯は……あっちはあっちで楽しくやっているはずよ」


 私たちが泊まりで勉強会をするという話は聞いていたはずだから、おそらく三景くんや那月を呼んで似たようなことをしていることだろう。

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