【2024年6月16日】

「大丈夫、俺たちなら出来る」

　今日だけで何度も告げた言葉を最後にもう一度だけ呟き、俺たちはステージへ歩みを進めた。

　ギター、右茶美千花（うさみちはな）

　ベース、先本三影（さきもとみかげ）

　キーボード、後手那月（ごてなつき）

　ドラム、中州楯（なかすじゅん）

　ボーカル、左久良藍（さくらあい）

　さいちゃんさんと千景さんのプロデュースによって結成された5002（ごせんふ）最初で最後のステージが始まろうとしていた。

「お待たせしました。さいちゃんが今日のためだけにプロデュースしたユニット5002で〜す」

　俺たちなんかよりも何十倍も引きのあるさいちゃんさんの掛け声で幕が開き、俺たちはほぼ全校生徒の前に姿を現した。

　10分と満たない時間ではあるが、この時の俺たちは間違いなくアイドルだった……。

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