240525

【2024年5月25日】



「ただいま」


「お帰り〜 楽しかった?」


「言わなくてもわかっているでしょう?」


 時間を合わせて従業員用休憩室で待ち合わせた私は美帆にお土産を手渡しつつそう返した。


「あれだけ写真送られてきたら嫌でもわかるけど、お土産話くらい直接聞きたいじゃない」


「わざわざ話すような事は無いわ。強いて話すとすれば、楯が営業で声をかけて来たお兄さんと何故だか意気投合してしまって30分程度話し込んでいた話くらいね」


「営業って何? 大人のお店的なやつ?」


「投資の話だったと思うけれど、私たちが知らない間に捕まって気がついた時にはお互いの地元自慢で盛り上がっていたのよ」


「面白そうで良いな」


 今更どうにもならない事はわかっているはずなのに、美帆は羨ましそうにそう告げていた。

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