240506

【2024年5月6日】



「真白ってさ……」


 レジに入っている千円札を銀行員のような手つきで数えていた海さんはボソっとそう呟いた。


柚鈴ゆずりに似ているよな」


「柚鈴……どなたですか?」


「楯はあった事無いと思う。ナナの先輩で、海の同級生」


「んで、俺たちと同じ生徒会役員」


 そう言うと海さんはスマートフォンを取り出して明才生時代の写真を俺に見せてくれた。


「おふたりとも今とあまり変わって無いですね。もちろん良い意味で」


「悪い意味だったら手が出るところだったよ」


「あの……お片付けを少し手伝って欲しいです」


「「「あっ……」」」


 1人でしっかりと仕事に取り組んでいたそらましにそう言われた俺たちはハッとしてすぐさま仕事を再開した。

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