240412

【2024年4月12日】



「宜しくお願いしま〜す」


「ん。宜しくね」


「チッハー先輩、元気が足りないと思いま〜す」


 今日からアルバイトとして雑貨屋『ラキハキ』に入社した沖原華菜おきはらかなさんの教育係に就任させらてしまった私は何故か仕事を覚えているはずの夕映峠ゆうばえとうげの面倒も見る事になっていた。


「峠、ちょっと」


「は〜い」


「あなたにはあなたの仕事があるでしょう?」


「やるべき仕事は昨日のうちに終わらせちゃった〜」


「じゃあ、いつものようにレジに立っていれば良いでしょう」


「なぁんか、今日は出勤人数多いんだよねぇ〜」


 レジを見てみると、本来2人いれば十分なレジ内には店長と副店長の2人に加え、私よりも数年先輩の青凪あおなぎさんと大学生アルバイトであり私よりも1年先輩のとまりさんの4人体制となっていた。


「どうして、今日に限って……」


「みんな、カナカナちゃんに会いたかったんでないの?」


「えぇ〜 かーにですか?」


 そんな事は無いだろうと頭を抱えていると華菜さんは嬉しそうにそう告げていた。


「華菜さん……一人称って、かーなのね」


「カナカナちゃん可愛い〜」


「特に気にならないというのであればそれでも構わないと思うけれど、接客時にはと言うようにして欲しいのだけれど構わないかしら?」


「うぃ! ……じゃなかった。はい!」


「元気が良いわね……」


 元気の良いのは悪い事では無いけれど、なんと言うか……峠と一緒だと疲れそうという印象を受けた。

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