探偵と犯人と


「犯人はずばり、君だね?」

「はい、私です」

「え?」

「え?」

「いや、あんな手の込んだトリックを使っておいて、あっさり認めるヤツがあるか! 普通、もっと粘るだろ!」

 探偵はほとんど素の表情に戻って怒鳴ると、頭を抱えた。


「あいつ、どういうつもりだよ!」

 脚本を書いた俺も、舞台裏で頭を抱えた。

 まったく、なんてアドリブだ。


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