一部:世界設定
成り立ち
元々そこは土産用の油紙傘(中国の伝統的傘で国交の歴史から作り方が伝来した)を作る場所だったと言われている。しかし、あることがきっかけでそこの職人たちが出て行ってしまった。
もぬけの殻となった家屋は犯罪の温床である。いつしかその場所には不法侵入者や行き場を失った者たちの宿となり、住処となり、住人が増えていった。家族のような謎の連帯感を持った彼らはここを中心に増築していく。その様相はまるで傘を広げたように近隣住民からは見えたという。
よってその建物は油紙傘と揶揄され、城砦へと形が形成される頃には紙傘城砦(しさんじょうさい)と呼ばれるようになった。
▷紙傘城砦のある国
この城砦がある場所はアジア大陸の南部の海に面した小国の首都である。この国の統治はいささか複雑であり、意味不明である。占い師によるとその国土は邪神の骸からできているらしい。邪神の恨みが統治者へと向かうため、歴史的にこの国を支配しようとした者たちは不幸に見舞われた。民主国家であるのはそのせいである。
邪神については解明されていないが、紙傘城砦がある場所は心臓があったところではないかと推測がある。
また公用語は決まっていない。様々な国との国交が盛んであるため、この国の人間はバイリンガルであることが多く、名前も多種多様。
▷生きている都市
紙傘城砦が生きている都市だと揶揄される理由は、本当に生きているからである。紙傘城砦の土地面積は徐々に広がっている。現在に至る今もその現象は止まっていない。気づけばできているのだ。
しかし、なお不思議なことに、城砦を除いた国の面積は変わっていないことが判明した。これは行政の正式な発表であり、オカルトマニアたちの好奇心を強く惹きつけた。
傘を広げるように広がるその城砦内を詳らかにするため、行政は城砦と外を繋げるための調査組織【窓口】を設置した。
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