設定ミスじゃないの?
なんか眠い
第1話 知らない天井・・・じゃなくて、部屋だ。
「目が覚めましたか?。」
そう話しかけられて、俺はゆっくり周りを見渡す。
まるでどこかの小洒落た病院の待合室のようで、
正面には白い壁に垂れ幕がかかってる。
『おかえりなさい、人生は楽しかったですか?。』
うん、どこかわからないな。
俺はソファーに座ってるようだ。右側には壁があり絵画が掛かっている。
左側にはドアが一つ有って、今は開いている。
そこから一人の初老の女性が顔を出していた。
「動けますよね?こちらへどうぞ。」
そう促されて、ソファーから立ち上がり隣の部屋に進む。
こっちの部屋には彼女の机に向かい合う形で椅子があった。
「どうぞ、おかけください。」
そう言うと彼女もまた椅子に掛けて机の上のファイルを見て、
ノートパソコンの画面にも目をやりながら、
「まずお名前ですが、神寺 蓮さんであってますね?。」
「いえ、俺は神宮寺 漣ですけど。」
「えっ・・・と。」
彼女はノートパソコンの横においてあったメガネを掛け直し
「か・み・で・ら・れ・ん・ではないと?。」
「はい、し・ん・ぐ・う・じ・れ・ん・です、神と寺の間に宮がついてます。」
どうやら人違いらしい、おや凄く困った顔してるぞ。
「ちょっと、お待ちください。」
彼女は机の上の電話機の受話器をとり、どこかに電話している。
ただその言葉は聞いたことがないもので、何を言っているのか理解できなかったが
その表情はめまぐるしく変わる。
「バカヤロー!手間とらせやがって、ちょっと待ってろ。」
あら、怒りMAXだと日本語なんだ。
「しばらくお待ちください。」
そういうと彼女は部屋から消えた。
えっ?消えるんだ。
しばらく、待った。
たぶん、待った。
かなり待ったと思う。
暇だな・・・俺は椅子から立ち上がり、机上のパソコンの画面を見た。
何か出てる。どこかで見たような~ああ、あれだオンラインゲームの
ステータス画面に似ている。
名前のところに俺の名前に似た文字が並んでいる。
「神寺 蓮」か、宮が抜けてるし漣は変換間違いだし、
そう思ったらなんか直したくなって、
そこにある各種のステータスの数字があまりにもしょぼいので、
年齢以外の数字をMAXにして、最後に名前を書き換えたところで彼女が戻ってきた。
ドアからなんだ、戻るときって。
「お待たせしました。ええっとこちらの手違いがあったようでして、神宮寺さんは、
ここではなくここより・・・まぁなんですね。」
いやそれ何誤魔化そうとして仕切れなかった残念感は?。
「すいません、ここはどこなんですか?。でここより・・・って
どういうことなんです?。」
「あっそうでした。ここは~。」
「ここは?。」
「死後の世界です。」
「はい~えっ?。」
「あの世、ともいいます。」
「はっきりいいましょう。神宮寺さん、あなたはこちらの手違いで死んでます。」
「えっえええええええ。」
なんか、はっきり言いすぎじゃね?。手違い認めてるし。
「まったくもって申し訳ない。調べてみるとあなたは、2年後に14歳年下の
気立ての良い、見目麗しい女性と結婚して2男2女を授かり事業にも成功し
6人の孫に囲まれて・・・。」
「囲まれて?。」
「5歳の玄孫に射殺されるという人生を送るはずでした。」
なにそれ、最後めちゃめちゃ怖いやん。ていうか射殺って日本なのに銃あるん?。
「あ、引っかかりますよね?。【射殺】実は42年後に日本は北の将軍様率いる
半島連合の侵攻を受けて、・・・」
戦争が起こるんだ、ってかそれで占領なんかされてないよな?。
「まぁ撃退したんですけどね、治安は悪くなってまぁ一家に一丁というか、
1人1丁とか拳銃の所持が認められてまして、母親に迫る老人を庇うため
に・・・。」
えっ~と、俺孫の嫁に迫ったんかいな・・・。
「まぁ、そんな波乱万丈な人生を生きることなくここに居るのは、むしろ幸いと
お考えになられて、これからの楽しい死後をお楽しみにしていただければと。」
「ちょっと待て、手違いで死んだりするもんなのか?。可笑しいだろう!。」
「はははははっ。」
えっ、そこ笑うとこちゃうやん。間違ってるでホンマ。
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