第47話:賢いヒロイン中編コンテスト通過作品の考察その2

 健康上、本日エッセイを書けないので、こちらにだけ検証を書きます。


 キャッチコピー

 金貨金貨金貨、金貨が襲ってまいります!神よ、お助け下さいっ!


 作品名

 清貧に生きたいAI聖女は金貨に埋もれる。修道女に憑依した超優秀なポンコツAIは聖女とあがめられるけど絶対目立たないように世界征服を企む「ですが神よ、なぜ目立ってしまうのでしょう?」

 https://kakuyomu.jp/works/16817330653867087550


 この作品が中間選考を通った理由を、昨日ずっと考察していました。


 で、先の表現の検証だけでは十分でないと思い、「その2」を書きます。



 プロットが一貫していて『オチまで背骨が通っている』こと。

 これが超重要だと思います。


 応募要項には


「中編の中でしっかり「賢さ」を発揮してオチをつけていただきつつ、今後長編に、そして続刊する中でもどんどん魅力が発揮されるような、そんなヒロインを募集します。」


 と書かれています。


 この「オチをつける」というものが重要だと。


 オチで主人公のキャラの内面を変化させること。

 若しくは主人公の魅力を引き立たせること。


 これがきちんとできているか、かと思いました。


 AI聖女さんは


「アイザック博士に振り回されて」

「拒絶感のある金貨に襲われて」

 四苦八苦しているけど

 最終的には


「スパダリが差し出した、小さい子供の作った値段が銅貨1一枚の指輪を嬉しそうにもらう」


 というオチです。


 つまりスパダリに救われるわけです。


 ちなみに、このキャラはスパダリの要件を満たしておりません。

 スパダリの重要要素である「高貴な身分」がないのです。

 そのかわり「これから2人で成り上がる余地」を持たせています。


 これは要綱の

「今後長編に、そして続刊する中でもどんどん魅力が発揮されるような」

 という条件を満たす観点から入れた要素です。


 ……実際に書くとは言っていません。予定もありませんw



 このように応募要件を満たすための仕組みを意識しつつ書きました。


 また


「舞台設定やサブキャラも重要になりそうです。ヒロインの知識が活きる、薬や占術などの技術体系がある東洋世界なのか、戦略性が重要になる、西洋の陰謀渦巻く貴族社会なのか……。ヒロインの凄さが発揮される舞台をぜひ自由に設定してみてください!」


 ヒロインの知識=作者の知識ですから、それを生かすため、チートを生かすために必要な設定を作りました。


 まず「現代ドラマ」「現ファン」は却下。

 この文には、例として書かれていません。


 ハイファン、西洋風=ナーロッパ世界観か、中華世界だけ。

 そして陰謀渦巻く貴族社会がわざわざ書かれています。


 無難なのは「陰謀渦巻く貴族社会」を舞台とした「賢いヒロインの活躍」だと判断しました。


 そこで設定したのが、18~19世紀のイギリスをモチーフとした世界観です。

 そこにアイザック博士が割り込んで「万能神」として浸食していくわけです。


 まにまにの得意とするのは


「歴史知識」

「軍事・経済・外交・戦場・侵略」


 等です。


 ついでに

「戦場物の知識」


 これらを端々にちりばめています。


 KACで書いた、情報屋の少年を出しました。

 戦場で使う大盾や斬馬刀=クレイモアも、基本、国盗り物語で書きたくて調べたものです。


 問題は貴族社会。

 一応、Web作品で知識はありますし、色々と若いころから調べたものもあります。


 でもこの辺りは適当に飛ばしました。

 なにせ4万字程度に収めるつもりでしたので。


 読者に負担を書けない程度に、お決まりの設定を書いただけです。


 まともな歴史的設定を書いても無駄になるだけ。

 だから「主人公の知識にリミッター」をつけました。

 AIのデータに「アイザック博士がロックした」としました。


 すると更に面白くなり。

 アイザック博士のキャラが、さらに深掘りできました。


「イエス、ルシェル。ノータッチ!」ww


 まにまにの、元の知識に真面目な知識が少ないための苦肉の策です。

 ヲタク光秀の際の「知識が全部サブカル」というものもそう。


「ツッコミは受け付けません!」


 だいたいそこを見せたいわけではないので、それで充分。


「ヒロインの知識が活きる」

 という要望に応えるのに、AIとしての膨大なデータをアイザック博士の趣味で限定させているためにおこる喜劇も書けました。


「サブキャラも重要になりそうです」

 は、

 スパダリとアイザック博士の対比。


 リースと心がすれ違っているのが、最後には少しだけ近づいたところで終わっています。


「ハラハラ」はしないけど「おいおい。そうじゃないだろ」と突っ込みたくなるすれ違いを書きました。


 例)

 <ここから>

 あと、殿方用書籍の著者名ですが。


「ムネスキー=プリンプリン」

 というものが、最高のパフォーマンスを引き出すとの結論が出ました。

 次点として「シリスキー=プルンプルン」もありましたが。


 本当にこんな安直な名前を殿方が喜ぶのでしょうか?

 今度、リース様に感想を聞いてみましょう。

 <ここまで>


「おいおい。それ聞くんかい!」


 つまり


『賢い』

 けど

『ポンコツ』

 で

『一般常識が全くない』


 という基本構造です。


 全てはこの【ギャップ】を見せるための設定です。


 ギャップです。

 ギャップがすべて。


 これが選考を通過した理由だと、現在判断しています。



 ではまた~




 追記)

 レッサーパンダ様のお告げでは、あのイラストイメージに似せないといけないという、重要なことを言われました。


 ですから強すぎるキャラはいけないと考えました。

 あくまでも知力で活躍する体力のない主人公とということで「ポンコツAI」となったわけです。


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