第41話:テンプレを笑ってはいけない。トレンドの先取り
「いつも同じ始まりでつまらない」
「先が見通せる」
「こんなの楽しく読んでいる読者は読解力がない」
「正式な言葉の使い方をしていないから小説ではない」
などなど。
Web小説を馬鹿にする人が良くいます。
だけど、
「よくいる」
といっても、それは
「ノイジーマイノリティ」
つまり、
【声の大きい少数意見】
です!
その方々がカクヨムを読むのは自由ですが、その読者と作者を下に見ること、なんともの知らずなことか。
たとえば
カメラの形。
まにまにはあれの形が
「いつかは拳銃型や手帳型になるんじゃないか?」
と、中学生の時にカメラ好きのやつに言ったら殴られそうになるくらい怒られました。
まあそいつは『カメラはこうあるべきだ』という『ロマン』を感じていたのでしょうけれど。
きっと機能美に惚れていたのでしょう。
こういう人は、今でも
「カメラは一眼レフ型でなくてはいけない」
と言っているんでしょうねぇ。
まにまにはそのことは反省しているけど、逆にその人がそのロマンを他人に押し付けてくるのはヤダナァ。
今の画像、動画撮影の主流は『素人が気軽に撮れて編集できる』ための形状になっているのです。
何が言いたいかって?
Web小説のテンプレって、
「その目的に沿って研究に研究を重ねた形式だ」
という事です。
Web小説の目的とは?
『気軽に空き時間に読んで楽しむ』
こと。
このライトユーザー読者がほとんど。
PCでゆっくり読む人はごく少数。
(戦国物は別)
そのライトユーザー向けに磨きに磨いたテクニックの粋がテンプレであり、それを元にした個性ある作品群なのです。
「○○、お前は首だ!」
「○○、お前との婚約を破棄する!」
これには物凄く深い意味があります。
なんでそんな始まり方をするかというと、
「ああ、これはそういう作品ね」
というディスプレイ。
「次に来るのは主人公のどういう反応か?」
と期待させる前振り。
その後に主人公のキャラを前面に出せれば、読者を食いつかせられる。
これで第1話の前半を一気に山場にできる。
後半部分は、次への引き。
これからどういう物語が展開されるかのワクワク感を作り出す。
こういったことを綿密に計算しつくして、プロ作家は書いているのです。
決して適当に書いて、たまたま当たってしまった作品がすべてではありません。
ヒットした作品を見ると、テンプレ要素が確実に取り込まれています。
無意識でもそれを入れているのでしょう。
処女作品といっても。
なのでテンプレ作品はたくさん読むことで、
「なにがこのヒットを生んでいるのか」
を、その構成要素を見出せると思います。
そのためにもテンプレ要素とは何かを学ばねば、いつまでたっても読んでもらえないと思います。
まにまには健康上、書ける作品が少なくなっている為、理論を現実化するチャンスが少ないです。
ここの所、現代ファンタジーのダンジョン配信ものを書こうと思って、プロット構成で失敗を繰り返していますが、その理由は「新奇性」「個性を入れる」ことに執着したからです。
今でもこだわっていますが、できる限りテンプレ要素を尊重していこうと思っています。
健康上、テンプレは1作だけ書いて、次は自由に女主人公ものを書こうと思います。
その後、様子を見て戦国か時代物に。
時間は有限、健康も有限。
自分の作家ライフプランを建てた方がいいですよ。
◇◇◇◇
昨日、ゆっくりできるようにネットフリックスでいろいろな作品を流しっぱなしでぼ~ッとしていました。
医療ものはJINとDoctorX以来、好きになってたまに見るので、何の気なしに韓国のテレビドラマの医療ものを見ていて思いました。
ヘイト管理はきちんとできているし、キャラを生かす設定。
コメディというなかにも『韓流』の特徴である、わざとらしいイケメン男性が女主人公に好意を……
あれ?
これってもしかして
『Web小説の溺愛ものと同列の構成をしている?』
2000年代から始まった韓流ブーム。
2010年代から加速度をつけたけど、嫌韓ブームで下火に。
2020年から再びブームがきている。
それに対して、溺愛物は、まにまには詳しくないのですが、
『悪役令嬢物』
がブレイクしたのは、
2013年の『謙虚堅実』だと思うので、この辺りからなろう系では逆ハーが始まった?
元々需要のあった韓流ドラマから放れた読者が「なんだ、こんな面白いものが日本にも」的に、流入したのかもしれない。
そして第3次韓流ブームに合わせて、小説家になろうサイトにて『異世界転生作品の隔離措置』が行われて、すでにこのサイトでは恋愛もの以外は日間ランキングに載ることは至難の業となっています。
シンデレラストーリーは王道中の王道ですが、ちょっとひねった悪役令嬢、聖女物が現在の主流。
なろうは溺愛一色かと。
分析は出来ていませんが、この日本のWeb小説と韓流ドラマとの相互干渉効果は多分確認できる。
つまり、最近、わかつきひかる先生が動画でおっしゃっていた
「近接ジャンルで流行ったものが次に来るトレンドであること」
もありうるのではと思いました。
ですからアンテナを張っておくといいと思います。
株式FX取引でいうなら、
『5日移動平均線』
が、週間ランキングなどのトレンド。
『25日移動平均線』
が、月間ランキングのトレンド。
それ以上の『長期トレンド指標』
に当たるのが書籍化など。
そしてFRBのFFR発表や雇用統計などよりも、コア指数、半導体指数などが『次来るトレンド』を指し示すように、全く別の指標を見ないといけませんね。
カクヨムだけ見ていても流行に置いておかれる。
そして
「流行に左右されない作品を書きたい」
と思う人でも、新奇性を持たせるアイデアとしてはこれを使えるのだと思っています。
ですからWebやマンガ、アニメだけ見ていてはだめだと思うのです。
王道も大事。
Web作品のトレンドも大事。
だけど近接領域のトレンドも重要な指標の一つだと言えると思います。
すこし長くなりました。
では今日も一緒に頑張りましょう!
追記
エッセイの方ではこのような分析や所感を書いています。
よろしかったらどうぞ。
https://kakuyomu.jp/works/16816927860513975333
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