無能がいきなり最強に?~ある日手に入れたスキルが最強だった件~
辛味の視界
序章 追放編
プロローグ
「はぁ……」
―俺の名前は
♢♢♢♢♢♢
「奏多……お前をこのギルドから追放する!」
現在時刻は正午。ノルマとして俺に課せられているE級クエスト一つを終えてギルドへと報告をしに戻ってきたとき。それは突然に告げられた。
「え……?」
「なんだ、無能のお前は冒険者様の言葉も理解できなくなったか?」
今、俺に追放を告げたのはギルド《天星》のギルドマスター、
「い、いや、言葉は理解できるけど……言ってる意味がわからないよ!」
「簡単なことだろう。お前は追放、このギルドに置いておくことはできないと言ったんだ。確か、お前はギルド宿舎に泊まっていたよな? なら三日やるからさっさと荷物をまとめて出ていけ!」
正直、理解ができなかった。自分が追放されたという事実を受け入れられずに無心で荷物をまとめ、言われるがままギルド宿舎を出てきたのだ。幸か不幸か、大した金もなかったので部屋の荷物はほんのわずかだった。そして、時は現在へ戻る―
♢♢♢♢♢♢
「これから、どうするかなぁ……」
ギルドを追放された俺はこのままだと冒険者として活動をすることができない。今まではギルドを通してクエストを受注していたが、ギルドに所属していない冒険者……しかも、最弱のE級冒険者になんかクエストはない。
さて、ここで少し解説をしよう。クエスト依頼はまず、冒険者協会というところに集められる。そして、そこからどのギルドがどういったクエストが得意なのか、どういうことに長けた冒険者が多いのかなどでクエストをギルドへと振り分けていく。そして、ギルド内でさらにクエストをわけていくのだ。
そして、クエストと冒険者、ギルドにはそれぞれランクがある。上からS⁺ランク、S⁻ランク、A⁺ランク、A⁻ランク、B⁺ランク、B⁻ランクと続き、Cランクからはプラスマイナスはなくなる。そして一番下のランクが俺のいるランク、Eランクだということだ。
「まずはどこか入れてくれるギルドがないか探してみないと……」
そして、ギルドを追放されたその足で俺は冒険者協会へと向かった。
♢♢♢♢♢♢
「今日はどのようなご用件ですか?」
協会内に入ると、俺はギルド斡旋所へと向かった。ギルド斡旋所は、ギルド側が新しくメンバーを募集するときに募集条件を出したり、新しく冒険者になった人がギルド探しに来る場所だ。
ギルド斡旋所に向かうと、受付をしている協会職員の人が声をかけてくる。
「あっ……ギルドの紹介をしてもらいたくて……」
「了解しました。では冒険者カード、またはアプリをご提示ください」
俺がギルドの紹介を頼むと、冒険者カードというものか、冒険者カードの機能や装備なんかを売買できるオークションなどが一緒になった冒険者専用のアプリの提示を指示される。え? キョどってるって? あっ、いやっ、これはあれだよあれ、脳がまだ落ち着けてないんだよ!
……とまあこの辺にしておいて、俺は冒険者カードを提示する。そこに書かれているのは自身の名前とレベル、
「……すいません、できる限り探しては見ますが、このランクではギルドに加入することは厳しいかと……」
と、いうことになるのだ。Eランクの中でも、優秀なスキルを持っていたり、優秀な
冒険者ランクはその人の”強さ”が現れたものだ。だから、最初からランクが高い人も普通にいる。この仕様のせいで、
「そう、ですよね……すいませんでした」
俺はそう言ってその場を立ち去る。俺みたいなやつがいても邪魔になるだけだろうからな。なぜって、冒険者になる人は後を絶たない。今でも、かなりの人がこの場所にいる。冒険者になるには適性が必要だが、その適性は5人に1人が持っているといわれているからだ。冒険者登録をし、ここに来る。俺も、最初冒険者になったときは同じようにしてできたばかりのギルドだった《天星》に加入したのだから。
「いっそ、冒険者なんて辞めるか?」
帰路……と言っても帰る家などないが、道をたどりながらそんなことを呟いてみる。誰も答えなんてくれやしない。言ってみたものの、そんなことはできない。俺は中学校を卒業してすぐに冒険者になったからな。親の反対も押し切って。今の俺に働く力なんてない。だから、冒険者を続けなければいけないのに、冒険者を続けるための力がない。
「俺に、力があれば……っ」
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