好きな人の心の声がヤバすぎた!!

日本語しか使えません

1

 










僕の名前は鈴蘭 藍梨 スズラアイリ














明日から高校二年生!!







楽しみと思う反面、ちょっと不安な事もある。










そ・れ・は・・・・




















「クラス替えーーー!」





















僕は言ってしまうと陰キャだ。ていうかバリバリの陰キャだ。



高1も友達は同じ中学だった奴だけ。








ゲーム三昧で過ごしてたら新しい友達作れずに高1終わったし・・・














高2も同じ感じで一年ちょっと過ごすんだろうな・・・





















で、でも僕だって、友達は欲しい。











流石に一人しかいないのは、悲しい。
















「ちょっと練習するか」


















自分の部屋のドアが教室の扉だと思って。










ガラガラ
















「お、おはよう!!」












ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー













待って僕さっきの「おはよう」めっちゃ良かったよね?結構声も出てたし。これと同じように新学年の教室に入れば『コイツ明るい奴なんだな』って思って絡みやすくなるはず


















「藍梨~」


















でもそれで引かれたらどうしよう。僕が挨拶したのに皆返さないでいたら普通にヤバい奴とか思われないかな皆が返さなかったら僕すっごく悲しいよ?いや恥ずかしいの方が正解k

















「藍梨!!!聞こえてる!!!今の私の話聞いてた!?」
















「え?何のこと???」























僕の目の前には仁王立ちをしている僕の姉ーーー花純カスミ姉ちゃんが。











「だーかーらー!!新しいクラス替えに、緊張してるんでしょ!!」








「げ、なんでそれを・・」










「さっきからぶつぶつ独り言言ってるから~!聞こえちゃってるの!!」






「え!?聞こえてた!?」















クソ恥ずかしい。


















「そういえば藍梨って、片想い~してるんだよね???」




















興味津々シンシンに聞いてくる姉ちゃん。










「姉ちゃん、圧が・・・」




「片想い、してるんでしょ!!」






だから圧すごいって。


















「え、えっと、うん」


















そう、僕は高1の頃から片想いしている人がいる。

















「藍梨照れちゃって」







「確か、戸鞠 星花トマリホノカちゃんだったわよね??」











「ん」















戸鞠さんは高1の後期が始まった時に転校してきた、陽キャJKだ。










京都からこっちの東京まで来たらしく、京都弁が抜けないらしい。

















そんな彼女は誰にでも明るいし、誰にでも優しい。
















実際に僕もそれで惹かれた。














無意識に好きになってた。













「これが初恋か」って思った。






















もっと話してみたい。






















だけど話せずに一年が終わってしまった。










ちょっとだけでもいいから、話したかったなぁ~


















「ーー今、もっと戸鞠さんに話したかったって思ってるでしょ」









「一年何も出来ずに終わったなって後悔してるでしょどうせ」









「げ」













なんだよ心の声読めるのかよ?





「ふっふっふ~実はこれが、読めちゃうんですよね~」







え、今僕が心の中でツッコんだのに、答えた?




「うん。答えてるよ」

















「だってあんたの心の声、読めちゃうんだもん」

















姉ちゃんこんなに読める人だっけ?鈍感なはず・・












「実はね、コレを使ったのさ」












ガサガサ











ん?何か嫌な予感がーーー














「じゃじゃーん!コレを付けてました!」

















見せてきたのは、超小型のワイヤレス。












「な、なにそれ・・」









「えへへっ実はちょっと期間をかけて我が弟のために作ってあげたんだよー!」












姉ちゃんは発明するのが大好きで、いつも斜め上の視点から物事を提案したりと少し変わっている。












「これはね、名づけて『心の声ワイヤレス』!」




「名前ほぼそのままやん笑」















「まぁさっき私が使ったの見たりしたらわかると思うけど」










「コレを耳に付けると、気になる人の心の声が聞こえちゃうっていう不思議アイテムなのだーー!」

















つまり言い換えると



「コレを付けると好きな人の心の声が聞こえるということだよね?」








「んー要するにそう」







「どうやって作ったのコレ」




「それは企業秘密かな~」





「とにかく、コレこっそり付けて学校行ってみなよ!!ほら」











そうして渡されたのは、僕の肌色に近い色のワイヤレス。










「藍梨髪長いんだし隠せるでしょ」




「ギリギリだけどね・・」


















こうして僕は、明日の学校からこのワイヤレスを付けて登校することにした!


















「姉ちゃん、ありがとニコッ」










「・・・っ」


「その笑顔をしっかり戸鞠ちゃんに見せなさいよ・・・・!!」

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