第16話 防具を揃えよう

 今日は防具屋を見に行ってみよう。

 下に降りるとエリーさんが掃除をしていた。


「おはよう、エリーさん。おすすめの防具屋って知ってる?」


 少し不機嫌そうな顔で振り返ったエリーさん。

「アルさん、アタシがそんなの知ってると思う? あ、でもおすすめの下着屋だったら一緒に‥‥‥」

「いや、それは大丈夫。やっぱりギルドで聞いてくるわ」

「んもう!!」

 隙あらば攻めてくるなぁ‥‥‥。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ギルドに来た。

「‥‥‥という訳で知らない? ナンシーさん」

「防具なら『マデリーン工房』がおすすめですね。場所もここから近いですよ」

「わかった。ありがとね〜」



 うん、近かった。

「こんにちは〜! 防具の相談したいんですけど良いですか?」

「はーい。あら、初めてのお客さんかしら?」


 背は俺と同じくらいのセクシーな装いのお姉さんが出てきた。

「はじめまして。アルフレッドです」

「ご丁寧にありがとう。私はマデリーン。じゃ失礼して‥‥‥」


 ぎゅっと抱きついてきた!? 

 え? なんで?


「はい、採寸完了ね。合うサイズのもの持ってくるわね、何が希望?」


 採寸だったんだ‥‥‥。


「とりあえずいろんな状況で戦えるように一揃い持っておこうかなって。予算は金貨十枚程度でお願い出来ますか?」

「えぇ、そんなに!? そんなに沢山持ち歩けるの? ジョブによる装備制限もあるし‥‥‥」


「あ、魔法袋があるので大丈夫ですよ。そして俺【アルバトロス】ですから装備制限は無いんです」

「うちとしてはありがたいけど‥‥‥。そうね、【アルバトロス】ならせめて装備くらい沢山持ちたいわよね‥‥‥。わかったわ、私が全力で選んであげる!!」


 やっぱり【アルバトロス】は弱者扱いされて当たり前か。


と思っていたらマデリーンさんが店じまいを始める。まだ午前中だぞ‥‥‥?


「えっ!? なんで?」

「全力で選ぶって言ったでしょ? うちの売上数日分だからね!!」


 そ、そうなんだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 着せ替え人形状態でいろいろ装備した結果、選んでくれたのは‥‥‥

【重鎧】メタルアーマー

【軽鎧】ブリガンディ

【ローブ】魔煌虫のローブ

【小手】ガントレット マスタリーグラブ

【ブーツ】フェザーブーツ

【頭】巨人の兜 ヘッドバンド

【ガーダー】メタルガーダー


 以上のように決まった。

 ガントレットは重装備用、マスタリーグラブは軽装用で器用さの補正がプラスになる最近出回り始めた手袋だそうだ。

 同様に巨人の兜は重装備用で腕力の補正がプラスに、魔煌虫のローブとヘッドバンドは軽装用で魔力補正がプラスになるそうだ。


『なかなか良いじゃないか。我の全盛期の装備と比べたらアレじゃがの』

 ルナの装備がもっと残ってたら良かったのに‥‥‥。


『お主じゃステータス的にまだ装備出来ん』

 左様ですか。じゃあ仕方ない。


 支払いは全部で金貨九枚にしてくれた。

「定期的にメンテナンスするから月に一回は必ず来るんだよ。あと使えそうな素材があったら買い取るから持ってきてね」

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