ぼっち少女は本から得た知識で人生を彩る

宗像 緑(むなかた みどり)

第0話 ぼっち少女

 半年以上前のわたし。


 ずっとわたしの人生は色無しだった。


 毎日本を読んで過ごすのは楽しかった。


 でも、使えるかもわからないただの知識だった。


 一人ぼっちだった。




 一秒前のわたし。


 わたしの人生の色は一つだった。


 変わらず毎日本を読んで得る知識はいろいろだった。


 一人で話すだけでも知識の土台に自分の考えが生まれた。


 二人だった。




 今のわたし。


 わたしの人生は一瞬で彩られ、一気にカラフルになった。本当に一瞬で。


 本を読んで得た知識を自分なりに考えて使った。


 みんな喜んでくれた。

 

 必要としてくれた。




 夕陽が空を赤橙に染める。


 満月の白さがより際立つ。


 淡い黄色のワンピースに身を包んだ一人の少女の首に、五つの石がはめ込まれた可愛いネックレスが揺れる。

 その膝には真っ白で綺麗な毛並みの猫が座っている。




 風が森の囁きを誘い、太陽が次第に力を弱めて、辺りを黒くする。



 さあ、帰ろう。


 彼女は膝から白猫をおろし、立ち上がる。


 腰まで伸びた綺麗な髪がふわっと揺れた。




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