第3話

『蝶は一頭二頭って数えるのよ』


 誰が言ってたんだろう。


『どうして?あんなに小さいのに』


 これは私の声。


『そうね、不思議ね』


 暗闇に光の鱗粉を散らしながら蝶が舞う。


 カーソルを叩いてスクリーンセーバーを消し去り、美紀は目頭を押さえた。

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